再手術とその他の矯正

レーシック難民の眼鏡講座

15.再手術や眼鏡、コンタクトによる矯正は言われるほど簡単ではない

レーシックを受けて過矯正に苦しむ人や、近視の戻り(レーシック後に再び近視化すること。強度近視者や普段から近見作業が多い人間に頻発する)が出てしまった人は「再手術」という言葉を考えるのではないでしょうか?レーシックのクリニックのサイトには「近視が戻ったときの再手術は無料です」と書いてある場合がありますね。遠視のレーシック難民に下った平成21年の判例でも「遠視は手術すれば直るのだから」と失職したのに説明義務違反のクリニックには微々たる(50万円)支払いしか要求されませんでした。

「近視矯正手術の説明義務違反に伴う損害賠償請求事件」

http://www.optnet.org/syujyututaisaku/hanrei20081105.html

 ですが、「再手術」というのはそんなに簡単で安全な自体ではありません。まず第一に、再手術を受けるためには削るための角膜の厚みが残っている必要があります。この厚みが足りない方は再手術を受けることができません。そして、強度近視でレーシック手術を受けた場合、1回目の手術ですでに角膜をぎりぎりまで削っているために再手術が不可能な場合も多くあります。

筆者が良い例で、品川近視クリニックで1度目の手術のあと、1年後に右目の視力が0.3近くまで低下しました。その際に「再手術は可能ですか?」と聞いたのですが「角膜の厚みがもう残っていないから不可能です」とそのとき初めて伝えられたので、本当にびっくりしたのを覚えています。

角膜の厚みが足りないとなぜ手術が不可能なのか?眼球内を満たしている眼内液圧力を眼圧といいますが、レーシックによって角膜を削り、角膜の強度がこの眼圧に負けてしまうと、削った部分が突出し、視力は近視化します。この症状を「円錐角膜」と言い、何の処置もなければ最終的に失明に至る事態です。

※円錐角膜自体はレーシックを受けていなくても発祥する症状です。ただ、1998年のSeilerらの報告によると、円錐角膜200以上の症例のうち、レーシック術後の症例は95%であるとのこと。

このためレーシック手術のガイドラインには、手術後のフラップを除いた残存角膜ベッドを250μm残すことが定められています(昔は200μmでいいということになっていましたが、円錐角膜の症例数がそれなりの数表れたため、2000年以降250μmに変更されました)。筆者のように近視が強度である場合、レーシックで角膜を削る量が多く、1回目の手術で既に角膜の厚み250μmギリギリにされていたので再手術ができない状態になっていたのです。

しかし品川近視クリニックでは手術の前に筆者にそれを告げなかったので、筆者のように「視力が低下しても再手術すれば大丈夫だと簡単に考えていたが、いざ視力が低下したら再手術は無理だった」という例も多数存在しているのではないかと思います。

※気をつけていただきたいのは、円錐角膜は角膜を削りすぎた場合も起こるのですが、レーシックをした場合はたとえ角膜の厚さが500μm残っていたとしても発症することがあるので。リスクファクターとしてはLASIKを受けた年齢が若すぎたり、妊娠などで角膜が柔らかい状態になることなどが挙げられます(詳細は以下論文参照「LASIKと円錐角膜」稗田牧、『あたらしい眼科27』2010年、メディカル葵)。

 ※2011年の海外での発表によるとレーシック後の円錐角膜は目をこする癖が多い人間に見られるという報告がありました。レーシックを既に受けてしまった人は目をこすったり、マッサージなどで圧力を加えないようにしましょう。

また、再手術を受けて100%直ると言うわけではないんですよ。近視矯正手術で再手術を受けるからはもともと1%ほどで、さらに遠視矯正だと数がさらに少なくなるため手術実績が圧倒的に足りないんです。今より悪化する危険性もある博打のようなものです。再手術の結果コントラスト感度が低下し、テレビ画面を認識できなくなったという方も存在します。再手術を繰り返し、そのたびに状況が悪くなっていったと言う話も多いです。再手術は簡単に考えるべき手段ではありません。

眼鏡、コンタクトだってそうです。まず、コンタクトですがレーシックでは角膜を削っているので角膜の形状が変化します。通常のコンタクトは合わなくなります。

目の状態の1日の変化も激しくなるので遠視にされた場合は凄腕の眼鏡視だって処方が難しい状態になります(私も遠視化した友達のことで眼鏡士に質問したが「20~30代の遠視は処方が難しい」とのこと)。

さらにコントラストの低下や夜間視力の低下は眼鏡ではどうしようも無い症状です。元から見える画像がおかしいのですから対処しようがありません。

投稿日:2020年9月23日 更新日:

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現在、とても人気の手術となっている眼のレーシック手術に対する警告の内容です。
今回、レーシック手術を当初認可した国の担当官が、現在ではその手術の危険について語り始めています。レーシックの何が危険なのでしょうか?その内容について、当局ABCニュースのエリザベス・レイミーがインタビューを行いました。

「レーシック手術の落とし穴 “2.0なのに
見えない・・・”体験者が語る“過剰矯正”
の恐怖 」

このテレビ番組は、このサイトにも紹介していますレーシック難民オフ会のメンバー9人のかたがたも東京でテレビ局からの取材に協力されて、フジテレビにより製作放映されたもので、医療ジャーナリストの伊藤隼也氏が監修されました。

ちなみにメンバー9人が手術を受けたクリニックは品川近視クリニック5名、神戸クリニック1名、錦糸眼科1名、他眼科2名です。

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