最近では、レーザーなどによる視力回復手術が普及してきました。
ネットサイトを見ても、視力回復手術を礼賛するサイトや、あるいは正義の味方や利害関係のない公平な立場の第三者を装ったそれらを行う業者の主催する、宣伝サイトが目白押しです。
では、本当のところとはどうなのでしょうか。
日本国内における、LASIKの施術件数に関しては、日本眼内レンズ屈折手術学会の推定人数で、年間40~45万人だということになっています。
しかしながら、過去にこのように多くの人数が施術されているにもかかわらず、LASIKで起こる後遺症や副作用に関する統計学的情報は、いまだほとんど提供されず、さらに、ほとんどの施術施設がそのような情報収集をしないまま、明確な根拠もなくLASIKの安全性を謳っているのです。
はたして、レーシックなどに代表される「近視矯正手術」は、いいこと尽くめの治療なのでしょうか。
視力回復手術によって近視が根本的に治るのでしょうか?
本来、近視とはごく初期のものを覗いては眼軸長の伸びによるものです。
したがって、角膜、水晶体、眼軸長を正常にして屈折度数もほぼゼロにして健常な裸眼視力にした、というのであれば、本当に近視を治療したと言えるのですが、角膜カーブだけをフラットに変えることにより屈折度数を正視に近くしたというのは、少なくとも近視が本当に治ったことにはならない、ということを理解しておく必要があるでしょう。
ですので、当然ながら、手術のあとで何年かたったら、(あるいは短期間のうちに)また近視になってくる、ということは、十分に起こりえることであり、そうなったとしてもまったく不思議でもなんでもないことなのです。
そのことは、近視手術について知りたいと思ってているかたには、まず、わかっておいていただきたいと思います。
近視手術をするにはかなりの資本投下が必要なのですが、患者さんが継続的に来ればけっこう儲かる場合もあるということで、以前から営利主義的な、眼科専門医以外の医者によるレーザー治療が行われているケースもみられます。
その一部については、先般、週刊新潮などでも報道されました。
告発された「レーシック手術」最大手クリニックの詐欺的商法
(週刊新潮 2008年8月7日号)
こういう話を聞きますと、近視手術を受けたかたのなかには、充分な説明も受けず手術に望まれたかたや、手術後の経過の思わしくない方々も多いのではないかと思わざるを得ません。
ネットで「近視手術」などの検索にひっかかってくるサイトは、近視手術を冷静に評価したり批判したりするものが非常に少ないという現実を踏まえて、このサイトでは、できるだけ公正に、これから手術を受けようと思っておられるかたや、手術を受けたけれどもその後の経過が思わしくないかたがたの立場に立って、「視力回復手術」を考えてみたいと思います。
なお、一見公平な感じの近視手術に関するネットサイトであるが、実は「近視手術へのお誘い」サイトであるという場合に共通することが一つあります。
それはそのサイトの運営責任者の個人名と、その人物の立場が明示されていないということです。
*このサイトは、日本眼鏡教育研究所の故・岡本隆博により開設されました。岡本隆博は’16年12月に逝去いたしましたが故人の遺言により当サイトを残しております。
http://www.ggm.jp/sp/
http://www.ggm.jp/labo/
《 近視手術に対する我々の考え方 》
我々は近視手術を100%完全に否定するものではありません。
ただし、メガネやコンタクトでは、何らかの理由でどうにも我慢ができない、という人が、それを受けるかどうかを検討すべきものだと考えます。
そして、近視手術を受けるかどうかの検討で、それをやる眼科へ相談に訪れた場合には、下記のことを必ずお尋ねになったらよいと思います。
1) 貴院における術後の満足度の追跡調査のデータはあるのでしょうか。
(たとえば、長期にわたって不満が解消しない人が何%いるのかとか)
2) そのデータがないとすれば、その理由は何でしょうか。
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