レーシック難民の眼鏡講座
3.メガネの処方箋の読み方
ここに筆者のメガネの処方箋を用意しました。
メガネの処方箋をお持ちの方は見比べてみると面白いかもしれません。
SPH① | CYL② | AXIS③ | PRISM④ | BASE⑤ | PD⑥ | ||
遠隔用 (外使い) |
R (右目) |
+1.75 | -1.50 | 65 | 2△ | Down | R30 |
L (左目) |
+1.00 | -0.50 | 100 | 3△ | In | L31 | |
読書用 (勉強・PC) |
R (右目) |
||||||
L (左目) |
処方箋作成者:大阪、肥後橋「メガネのカツラ」。桂孝次郎先生作成
(桂先生は、大阪吹田市にある眼鏡学校の講師もしておられます)
① 「SPH」は遠視や近視、老視などを矯正する球面度数を示しています。「-」なら近視、「+」なら遠視で、この数字が大きいほど矯正の度合いが強くなります。
この処方箋は+1.75なので遠視になります。(ちなみに私はレーシックを受ける前は強度近視で、ここの数字は-10以上ありました。)
② 「CYL」は乱視の度数を示しています。正乱視という大多数の乱視は、角膜または水晶体が対称的に歪むことによって起こるため「軸度(角度)」があります。そのため正乱視がある場合は必ず角度も一緒に記述されます。その角度が書いてあるのが「③AXIS」です。
ちなみに角膜表面に凹凸があるなどして、それが原因で起こる乱視も存在します(レーシックで角膜を削るのに失敗した際も発生する)。この乱視を不正乱視といい、メガネでの矯正は難しいのでハードコンタクトなどで矯正します。
③ 「AXIS」は正乱視の軸度(角度)を示しています。
④ 「PRISM」とは、眼位異常(斜視または斜位)あり、眼精疲労が生じていたり、両眼視に支障がある場合(物が二重に見える複視など)に処方されるプリズム入り眼鏡の処方箋に記載される数値です。ここも乱視と同じように「⑤BASE」がセットです。
⑤ 「BASE」プリズムには「BASE」もしくは「基底」と呼ばれます。プリズムによって光の曲がる向きを上下左右に曲げることができるのですが、それをどの方向に向けるかということが記されています。
もし貴方がかけている眼鏡がプリズム入りであった場合、眼鏡のレンズの上下または左右の一方がもう一方より分厚くなっていることが多いです。
⑥ 「P.D」「瞳孔(間)距離」と書かれているものもあります。単位はmmが一般的です。遠見用に作られた眼鏡と近見用に作られた眼鏡では値が異なることがほとんどです。
※遠見用も近見用もSがマイナス度数の場合には、遠用PDと近用PDが同じということが、たまにありますが、そういう処方箋を書く処方技術者は、眼の輻輳とレンズのプリズム作用をよく理解している人だと言えます。
逆に遠用も近用もSがマイナスなのに、遠用PDよりも近用PDを3~5mm程度少なく書いてあれば、眼の輻輳やレンズのプリズム作用に対する理解が足りない処方者と言えますが、眼科でもメガネ店でもその「理解が足りない」ケースが多いです。(東梅田「メガネのアイトピア」より)