【対談】 角膜移植について


対談者  岡本 : 本会代表
F   : 再生医療研究に携わるK大の研究者

岡本  近視手術の予後に角膜の疾患が出てそれが重態となり、角膜移植を必要とするケースもあると、S医師はおっしゃっていました。

近視手術をするクリニックの中には、万一の場合は、角膜移植を無料でサービスします、と謳っているところもあるとか・・・・。

大阪市にある、大手前病院は眼科が角膜疾患の治療で有名ですが、レーシックの器械も
初期のころに治験的に入れたとのことで、いまもまだ、近視手術をやっているのかどうかは知りませんが、阪大病院とは違って、少なくともHPでの近視手術の広報宣伝はないようです。

F   角膜疾患を専門としている病院では、レーシックが流行する前から、病気としての角膜の混濁を取り除くために、エキシマレーサーで角膜を削る手術をすることがあったそうなので、その流れでのことかもしれませんね。

岡本  私の中学校の同級生で、当店のお客さんである男性が、右眼が-6D前後、左が-3D台の不同視で、数年前にこの病院でレーシックの相談をしたところ、「歳も歳だし、リスクもあるからお勧めできない」、と言われて、レーシックをあきらめたそうです。

F   へぇ、まとも、ですね(*^_^*)

岡本  大手前病院のHPには、海外から入れた角膜移植が多いと書いてありますが、いわゆる開発途上国の貧困者が、角膜を売るのでしょうね。
片目が見えなくなっても、お金がいるので角膜を売る、ということなのでしょう。
気の毒に・・・・・・

F   残念ながら、角膜と腎臓は有名ですよね。S医師も述べておりましたが、残念ながら、日本における角膜の提供件数は不十分なのだそうです。

従って、この大手前病院に限らず、たいていの病院では、海外のアイバンクの協力をあおいで角膜を入手することも同時に行なっているのです。

岡本  角膜移植の場合、場合によって拒否反応は起こらないのでしょうか。

F   まず、日本において提供を受ける角膜に対しては、安全性について厳しいチェックが行われています。

特に角膜移植によって、患者さんに新たな疾患が伝染することを防ぐために、様々な検査が行われています。 ドナー(角膜提供者)が感染しているおそれのある疾患(たとえば、B・C型肝炎・梅毒・エイズなど)については、ドナー血液中の抗体検査や生前の状態などから徹底的に調べるそうですし、細菌・真菌の感染についてもチェックが行われています。

また、提供された角膜の透明度などが良い状態であるかも、アイバンクで詳しく検査してくれます。 これらの検査に全て合格した角膜のみが、角膜移植に使用されています。

一方で、輸入角膜移植の場合、移植で使用される角膜片に対して上のような検査を「するように」 と厚労省から通達が出されているだけだそうで、実際にきちんと検査されているかどうかについての監督機関はありません。

米国アイバンクなどのきちんとした機関からの移植用角膜であれば、上のような検査をして、おそらく安全性は確認されていることでしょうが、最近は、日本や米国のアイバンク以外の機関から独自経路で輸入している施設もあるそうです。

以前、S医師も述べておられましたが、そのような場合、病原性などの安全性の保証もありませんし、移植される角膜の質(透明度など)の保証もありません。

拒絶反応に関してですが、一般に、角膜には血管がなく、血液が流れていませんから拒絶反応がおこりにくいとは言われていますが、角膜移植が必要となる患者さんには、角膜に血管が入り込んでいるような病気を持つ患者さんが多いため、角膜の移植は、拒絶反応がきついのできつい免疫抑制剤を、全身副作用が生じるほどの高用量で内服しなければなりません。

角膜移植の場合は、手術後3~6ヶ月くらいしてから発症することが多いのですが、1年以上経ってから忘れた頃に発症することもあります。 移植片拒絶の報告は、軽微なものも含めると60%以上にのぼるのだそうです。

岡本  大手前病院の場合、レーシックの患者さんを集めようというのではなく、ホントに医学的にレーシックが適応ならやりましょう、ということでしょうね。
僕の友人の場合は、メガネでもなんとかいけているのですから。

それと、角膜移植の話、詳しく説明をいただいて有り難うございました。

そうすると、レーシックの予後に角膜移植を受けたとして、また何らかの合併症や後遺症で苦しむことになるおそれがあるのですね。 クワバラクワバラ・・・

F   いつか、再生医療でうまく作出できる日が来ると信じて研究に精進します。

そのことによって、貧困で、生活のために角膜を売って盲目になってしまう人が一人でも減ると良いのですが……。 あるいは、今既に、そのようになってしまっている人にも移植してあげて、光を取り戻せれば言うことなしです。

日本での角膜移植は、片眼およそ50万円ほどなのですが、日本国内でも、お金持ちだけが受けられる手術から、本当に必要な人が、だれでも、いつでも待機患者にまわることなく安全に受けられる手術になるとほんとによいですね。 がんばります。

それと、レーシックのあとで角膜移植を受けた場合も、おっしゃるとおりで、しかも、角膜上皮細胞が内側に進入してきているようなレーシック眼だと余計に移植角膜に対する拒絶反応がきつく出ると予想されるそうです。 ほんと、クワバラクワバラ……ですよね。

投稿日:2020年9月19日 更新日:

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現在、とても人気の手術となっている眼のレーシック手術に対する警告の内容です。
今回、レーシック手術を当初認可した国の担当官が、現在ではその手術の危険について語り始めています。レーシックの何が危険なのでしょうか?その内容について、当局ABCニュースのエリザベス・レイミーがインタビューを行いました。

「レーシック手術の落とし穴 “2.0なのに
見えない・・・”体験者が語る“過剰矯正”
の恐怖 」

このテレビ番組は、このサイトにも紹介していますレーシック難民オフ会のメンバー9人のかたがたも東京でテレビ局からの取材に協力されて、フジテレビにより製作放映されたもので、医療ジャーナリストの伊藤隼也氏が監修されました。

ちなみにメンバー9人が手術を受けたクリニックは品川近視クリニック5名、神戸クリニック1名、錦糸眼科1名、他眼科2名です。

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