【事例】 レーシックで強度の不同視になってしまった男性


                         オプトパル 小見秀夫

 左右の眼の屈折異常の値が異なる眼を「不同視」と言い、特に2D以上の差がある場合を「強度不同視」と言いますが、レーシックにより強度不同視になってしまったかたの実例をご紹介します。

先日当店で測定して、メガネをお作りした47歳の男性です。

レーシック後の不具合の相談を受けました。

11~2年前に、比較的早くからレーシックを手掛けていた市内の眼科にて両眼を手術。

手術直後は、裸眼でも良く見えるようになりましたが、その後、徐々に左目の視力が低下して、6年前に左目のみ再手術。
手術後は左目は良く見えたものの、再び徐々に視力は低下しました。

1年前に、「左目の手術はもうできない。老眼になるかもしれないけど右目だけやりましょう」ということで右目のみ再手術。

手術後は、現在よりもずっと強い遠視になっていたようですが、医師は、失敗を認めず
「右目で遠く、左目で近くを見るハイブリッド」などと言い訳する始末です。

もう一度手術を提案されましたが、ご本人はもうこりごりということで再々手術はお受けになりませんでした。

老眼ではなく、明らかな過矯正による遠視化です。
裸眼ではそこそこ視力の数値は出ていますが、本来は不必要な調節を強いての視力ですから、「右目で遠くが見える」というのは決して正しくはありません。
そして、もう一度手術を提案したのは、失敗と自覚しているからではないでしょうか?

自覚症状としては、遠くも近くも裸眼でそこそこは見えるが、1m~2m先の人の顔が良く見えない、眼精疲労がどういうものかわからないが、特に右目の周りが重苦しい感じ、新聞の行を読み飛ばしてしまったりする、ことがあるそうです。
新聞の行の読み飛ばしは、左眼だけの単眼視が原因のようです。

現在使用中の眼鏡度数
R=Sph+0.75 Add+1.00
L=Sph-1.25 Add+1.00

当方で検査をしてみました。

裸眼視力
R=0.9
L=0.3

両眼開放屈折検査での完全矯正値
Rv=(1.2×Sph+1.50 Cyl-0.75 Ax90)
Lv=(1.2×Sph-1.75 Cyl-0.25 Ax120) 3△B.in
不等像はほとんど無し

今回の処方調製値
Rv=(1.2×Sph+1.50 Cyl-0.75 Ax90 Add+1.50)
Lv=(1.0×Sph-1.00 Cyl-0.25 Ax120 Add+1.25)

混合性の強度不同視ですが、不等像視も出ていません。
前眼鏡ですでに2.00Dの左右差がありましたので、時間を掛けて装用テストを行い、
もう少し差を広げてみました。

レンズは遠近累進ですが、近方視の際の上下方向でのプリズム差を減らすために、下方回旋量が少なくなる累進帯長11mmの短いものを使用しています。

これまでのメガネに比べて、遠くも近くも良く見えるようになりました。
しばらく掛けていただいてもプリズム差による違和感は出ていないようです。

投稿日:2020年9月16日 更新日:

執筆者:

新しい記事はありません

現在、とても人気の手術となっている眼のレーシック手術に対する警告の内容です。
今回、レーシック手術を当初認可した国の担当官が、現在ではその手術の危険について語り始めています。レーシックの何が危険なのでしょうか?その内容について、当局ABCニュースのエリザベス・レイミーがインタビューを行いました。

「レーシック手術の落とし穴 “2.0なのに
見えない・・・”体験者が語る“過剰矯正”
の恐怖 」

このテレビ番組は、このサイトにも紹介していますレーシック難民オフ会のメンバー9人のかたがたも東京でテレビ局からの取材に協力されて、フジテレビにより製作放映されたもので、医療ジャーナリストの伊藤隼也氏が監修されました。

ちなみにメンバー9人が手術を受けたクリニックは品川近視クリニック5名、神戸クリニック1名、錦糸眼科1名、他眼科2名です。

このサイトには、リンクの切れたURLが何か所かあります。上の「WaybackMachine」をクリックし該当サイトのURLをフォームに入力して「BROWSE HISTORY」をクリックします。すると過去に取得したアーカイブが、カレンダー形式で表示されます。画面の上段で西暦を選んだのち、その下に表示される月次カレンダーで日付を選べば、指定日に取得したアーカイブが表示できます。

PAGE TOP