レーシック関西 ・ 木下 茂様への公開質問

公開質問 

レーシック関西 ・ 木下 茂様

         2009.11.12 近視手術の後遺症対策研究会 代表 岡本隆博
http://www.optnet.org/syujyututaisaku/

 前略

貴会のネットサイト(http://www.lasik.gr.jp/ 2009.11.12現在)を拝見して疑問に思ったことがありますので、ここに謹んでおたずねいたします。
以下、《 》内の記述は、貴サイトからの原文のままの引用です。

(質問1) 貴会は 《眼科専門医の研究グループ》 だとのことですが、通常の任意団体なのでしょうか。
すなわち、会員制で会費によって運営され、会員名簿もあり、会計報告もなされる、という方式でしょうか。 もしそれとは違う形態の団体なのでしたら、どういう運営形態であるのかということをお尋ねします。

(質問2) 貴会は会員に対して研究誌を発行配布しておられるのでしょうか。

(質問3) 本年7月に開催されたはずの研究会について、貴サイトに、それから4ヶ月たったいま、予告の形でそのプログラムも書いてありますが、そのときの各発表の内容の報告は、会員に対しても一般に対してもなされないのでしょうか。

(質問4) 本年7月の研究会で、稗田牧先生を座長とする『症例検討会 症例報告(困った例・困る例)』というのがありました。 それは近視手術を検討している人たちにとって、非常に興味深いものだと思いますが、その内容は、研究会ののちに、どういう形で誰に向けて発表されるのでしょうか。

(質問5) 貴サイトに 《LASIK(レーシック)は、手術翌日から高い確率で視力が出て、術中、術後の痛みもほとんどい新しいタイプのエキシマレーザーによる手術です。》 としてありますが、この文中の《……痛みもほとんどい新しい……》 は一部脱字で 《……痛みもほとんどない新しい……》 が正しいのですね。

(質問6) 上記の(質問5)に対して「はい」という回答であるとの前提でお尋ねしますが、私の友人はレーシックを受けた人から「術後自分は痛みが強かった。同じ施設で手術を受けた人で他にもそういう人もいた」と聞いております。
貴会の医師が行なうレーシックでは、術後に強い痛みを感じる人はおよそ何割くらいいるのでしょうか。

(質問7) 貴サイトに 《角膜上皮とその下にあるボーマン膜を残すため、術後の痛みが軽減され視力の回復も早く、理想的な方法として現在最も注目されています。》 としてありますが、これが理想的であるなら、ほかの近視手術の術式は不要なはずではありませんか。

(質問8) 手術というものは、どんな手術であっても、後遺症や副作用のリスクが必ず残り、100%安全とは言えないわけですから、レーシックを含むいかなる近視手術でも、それに対して「理想的」という表現はそぐわないと思いますが、いかがでしょうか。

(質問9) 貴サイトに 《今レーシックを希望される方に多いのは、眼鏡やコンタクトレンズで視力はでているけれども不自由を感じている方が希望されます。 例えば、職業やスポーツにおいて装用が困難な方や、ドライアイやアレルギーでコンタクトが難しい方などです。》 としてありますが、メガネがジャマになるのならコンタクトでよいでしょうし、ドライアイやアレルギーでコンタクトが無理ならメガネで辛抱すればよいわけで、たとえばスポーツに使えるメガネもありますし、曇らないレンズというのもあります。

私にはメガネもコンタクトも合わない、という状況がつかみにくいのですが、単に生活に不便だからということで、リスクがゼロに限りなく近いとは到底言えない近視手術を、公益に奉仕すべき専門職であるところの「医師」があえてネットサイトで宣伝するという姿勢に、私は疑問を感じざるを得ないのですが、術後、後遺症で困っている人に対して、自らが施した措置があまり有効でないという状況にでくわした場合、その手術をした医師としての責任というものについて、貴会の代表者として、貴殿はどのように認識しておられるのでしょうか。

(質問10) 貴サイトに 《注意すべきこと》 として 《近視度数の安定性》 としてありますが、それはどのような規準で判断されるのでしょうか。 たとえば、屈折度数の変化が過去1年間で0.25D未満であることを確認する、などと定量的なことを決めておられるのでしょうか。

(質問11) 第一次検査で 《詳しい視力検査を3回以上行なう》 としてありますが、貴会の会員医師はすべてその方法を実施しているのでしょうか。それはどのようにして確認されるのでしょうか。

(質問12) その場合の 《視力検査》 とは、他覚及び自覚的屈折検査を指すのだと思いますが、オートレフや、単眼の自覚検査では調節の介入のおそれがあります。
貴会の医師はそれを除去するために、どのような対策をとっておられるのでしょうか。

(質問13) レーシックの 《適応範囲》 として 《●2D以上の不同視。●2Dを超える角膜乱視。●3Dを超える屈折度の安定した近視。 ただし医学的根拠を必要とし、かつ十分なインフォームド・コンセントをもとに10Dを超えない範囲で行うこととする。》 としてありますが、この場合の 《医学的根拠》というのは、医学的にメガネやコンタクト以外ではものをきっちりと見ることができない、という意味の「根拠」でしょうか。 それとも、「医学的禁忌はない」という意味でしょうか。(もしも前者であれば、そういう眼は非常に少ないと思いますし、後者であれば、それは言わずもがなの当然のことだと思うのですが)

(質問14) レーシックの 《禁忌》 として 《妊娠、授乳中、あるいはその可能性のある女性。》 としてありますが、その「可能性」というのはどのように判定されるのでしょうか。

(質問15) 《屈折手術の概要と種類》 のページでの、RKとPRKの説明文がまったく同じです。 これはなぜでしょうか。

(質問16) レーシックの安全性について述べているところに 《「レーザー治療は眼科専門医で」、というのは、手術もさることながら手術前の検査とアフターケアに万全の体制で臨めるからです。》としてありますが、この 《アフターケアーに万全の体制で臨める》 というのは、どんな後遺症が起こって必ず治療によってそれが治癒するということでしょうか。そうでないとすれば、どういう意味でしょうか。(なお私はレーシックの術後の後遺症に対する治療がほとんど有効でないケースも多々あると聞いておりますが)

(質問17) Q&Aのページに 《20歳以上で、近視の進行が1年間変わらないような方が対象になります。》 としてありますが、 《近視の進行が1年間変わらない》というのは下記のうちのどちらなのでしょうか。

(  )(1)進行速度が1年間変わらない。
(  )(2)近視の度数が1年間変わらない。

(質問18) 上記(質問17)の引用文における「変わらない」ことを、貴会の医師はどのような方法で確認されるのでしょうか。

(質問19) Q&Aの 《老眼に効果はありますか》 のところに 《たとえば40歳代と50歳代と60歳代とでは老眼の度数が変わってきますので、それによってやはり遠方用近方用の眼鏡をそれぞれ使い分ける必要がでてきます。》 としてありますが、貴殿は遠近両用メガネというものをご存じないのでしょうか。

(質問20) そのあとに 《眼科専門医による検査と手術であれば、そのような場面でも素早く対処することもできますし、……中略……必ず眼科専門医の施設で手術を行なうことを強くお勧めします》としてありますが、それは近視手術によるどのような後遺症も、貴会の関連施設であれば必ず治癒するような処置ができるという意味でしょうか。

(質問21) 《手術後の合併症》 について 《光が少々滲んで見えたり、まぶしかったり、また、明るい場所に比べて暗い場所(または夜間)では、視力の低下を感じることがあります。通常、これらの視機能の低下は、術後1年の時点で約90%の症例で改善または消失しますが、まれに続くこともあります。》 とのことですが、その90%のうちで、完全に消失するのは約何%でしょうか。

(質問22) 《ドライアイ 手術後2、3ヶ月は眼が乾燥しやすい状態になります。その間、ドライアイ治療用の目薬を点眼していただきます。》 としてありますが、通常のドライアイは点眼などでもなかなか治癒しませんが、近視手術の術後のドライアイはみな2、3ヶ月で目薬が不要となるほど解消するのですか。

《手術体験者の声》 として、 《4月に手術をされたKKさん34歳》 の体験談が載っていますが、

(質問23) 何年の4月ですか。

(質問24) なぜこのかたの体験記だけが載っているのですか。

(質問25) 手術の結果に満足できていなかったり、後遺症で苦しんだりしている人もいるはずですが、そういう人の体験記はなぜ載せられないのでしょうか。

(質問26) この体験談を見ますと、この男性は単にコンタクトのケアーが面倒だっただけのようですが、貴会の医師は、そういう人も積極的に近視手術の対象として想定しておられるのでしょうか。

(質問27) 《関連眼科専門施設》 として貴サイトに紹介されているところは,どのような選考基準で掲載されたのでしょうか。 その基準は具体的にいくつか定められているのでしょうか。

(質問28) 《「手術経過報告 関連病院での実績の報告」》 の中に 《2002年7月更新》 という、古いデータがあり、 《2002年5月までにエキシマレーザー角膜屈折矯正をおこなった2083眼中、LASIKを行い、術後3ヶ月以上経過観察可能例経過観察できている、687例1346眼(男性366例、女性321例)が対象》 としてありますが、なぜ経過観察ができている眼が母集団の約3分の1しかないのでしょうか。

(質問29) その 《アンケート結果》 は 《9割の方に満足いただいています 。不満の内容は左右の僅かな見え方の違い、近視が残った、目が乾くなどの症状のためでした》 とのことですが、それ以外の不満(ハロ、グレア、暗所での視力低下、ドライアイ、近見困難など)はなかったのでしょうか。

(質問30) 《矯正視力低下症例》 が載っていますが、これらの場合の、矯正視力や裸眼視力が書いてありませんが、それはどうだったのでしょうか。
また、これらの眼の、その後はどうなったのでしょうか。

(質問31) この2002年の調査のとき以後のデータが掲載されていませんが、それ以後は調査はしておられないのでしょうか。

(質問32) 手術によって近視過矯正となって遠視眼になり、裸眼での近見(パソコン作業や読書など)困難がなかなか治らないという状態になることがよくあるそうですが、貴会の会員の施設では、その比率は何%程度でしょうか。

(質問33) 波面収差によるLASIKに関する記述で、 《波面センサーでは、近視、遠視、乱視以外の収差をいう屈折異常まで測ることができます。収差がない目は視力2.0になると考えられています》 としてありますが、これは、その種のレーシックを受けた眼では裸眼視力が必ず2.0出るという意味なのでしょうか。

(質問34) Q&Aのところで、 《100%安全なのですか》 という問いに対して 《手術はどんな手術でも100%安全とは言えません。それは術者だけの問題ではなく、周りのスタッフや患者さん自身にも何が起こるか分からないし、災害なども術中に起こる可能性があるからです。》 としておられます。

術者にも問題があって安全でなくなる場合があるのですね。それはどんな問題ですか。
そしてスタッフにも起こるかわからないこととはどんなことですか。

(質問35) 貴サイトの 《手術までの流れ》 を見ますと、同意書にサインをもらうのは、最終段階になっています。 しかし、もしそれに対する同意がなければ、特に第二次検査以後の検査はまったくムダになります。
なぜ、第二次検査の前に同意書の提示がないのでしょうか。

(質問36) 貴会に所属の医師は、同意書は患者さんに渡してから、最低でもどれくらいの日数の検討期間を設定しておられるのでしょうか。

(質問37) 公立大学の教授で地方公務員である貴殿が、このような、商業主義的色彩が濃くて、事実説明が十分でない宣伝サイトを作り、民間の医療施設に「患者様」をご案内することに対して、私は強い疑問を感じてしまうのですが、貴殿は、それに関してはどのように認識しておられますでしょうか。

(質問38) 近視手術を受けるかどうかを迷っている人にとって、一番の判断要素は「手術で後悔している人がどの程度いるのか」ということになるはずです。 なぜなら、術後に何かの「不満」があっても、それを上回る満足があればかまわないわけですから、不満者の割合がわかっても、それだけでは手術を受けるかどうかの判断基準にはならないのです。
貴会に所属の医師による近視手術の予後の全患者を対象とした「後悔度」の調査はあるのでしょうか。

非常に後悔している    (  )%
少し後悔している      (  )%
まったく後悔していない  (  )% (これを術後、定期的に長期間行なう)

 これがないとすれば、ぜひこの調査を実施していただきたいのですが、いかがでしょうか。

投稿日:2020年9月5日 更新日:

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現在、とても人気の手術となっている眼のレーシック手術に対する警告の内容です。
今回、レーシック手術を当初認可した国の担当官が、現在ではその手術の危険について語り始めています。レーシックの何が危険なのでしょうか?その内容について、当局ABCニュースのエリザベス・レイミーがインタビューを行いました。

「レーシック手術の落とし穴 “2.0なのに
見えない・・・”体験者が語る“過剰矯正”
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このテレビ番組は、このサイトにも紹介していますレーシック難民オフ会のメンバー9人のかたがたも東京でテレビ局からの取材に協力されて、フジテレビにより製作放映されたもので、医療ジャーナリストの伊藤隼也氏が監修されました。

ちなみにメンバー9人が手術を受けたクリニックは品川近視クリニック5名、神戸クリニック1名、錦糸眼科1名、他眼科2名です。

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