小沼光良様への公開質問

公開質問 

小沼光良様

2010.2.25 近視手術の後遺症対策研究会  岡本隆博

貴殿が公開しておられるネットサイトを見ますと、貴殿は近視手術に関して、多大なる関心を持たれ、実に細かく調べておられるようですが、貴殿のサイトの近視手術に関する記述 http://www.hal-9000.org/lasik/(2010.2.25現在)について、一部に疑問を感じる点がありますので、ここにおたずねいたします。
なお、下記の文中で 《 》 内は、当該サイトからの原文のママの引用です。

(1) コンタクトレンズのリスクの方が近視手術のリスクよりも大きいと書いておられますが、それらを単にパーセンテージで比較することには疑問を感じます。 コンタクトの場合には、取り扱いや使用の方法を注意深くすることにより、かなりのリスクは避けられますし、ハードレンズで極力カーブの適合性を良くすることにより、角膜内皮細胞の減少を防ぐこともできます。 ところが近視手術の場合は、本人の注意などは関係なく「困ったこと」に苦しめられることが往々にしてあります。

また、コンタクトの場合には、ほとんどの場合、コンタクトの使用をやめてメガネにすることによりその弊害をなくせますが、近視手術の場合の後遺症や合併症などは、そうはいきません。 そして、近視手術の場合には点眼薬を常用することによる副作用のおそれがつきまといます。
また、いわゆるレーシック難民といわれるかたがたのことは貴殿もご存じでしょう。 ですので私は、近視手術の方がコンタクトよりもリスクが少ない、との表現には賛成しかねますが、いかがでしょうか。

(2) 貴殿はコンタクトレンズの体験談や解説で、さかんに酸素酸素と言っておられますが、角膜は大気から酸素を取り込んでいるのではない、という事実がすでに明らかになってきています。
貴殿はご存じないのでしょうが、角膜を専門とする眼科医は、ほとんど知っています。
そのことを解明したのは、下記の雑誌の68号で特別講演をしておられる鍔井敏夫Ph.Dです。
もしご希望なら、この論文のコピーを送りましょうか。

 http://www.ggm.jp/ngk/kaishi.htm

(3) 貴殿は 《問題は、自社の技術を誉める点にあるのではなく、公平なデータを出さない点、まっとうな議論をしない点にあります。》 とおっしゃっています。

(3)-1 そういう近視手術業者を信頼して良いのでしょうか。

(3)-2 術後の追跡調査を公正な第三者機関に行わせるレーシック施設がないようですが、その理由は何だと貴殿は思われますでしょうか。

(4) この種の記事においては、貴殿ご自身の選択と手術の体験記および事後の経過が非常に重要だと思うのですが、貴殿が、いまの時点でなぜフェイキックIOLにしようかと思っておられるのかということを、詳しくお聞きかせ願えないでしょうか。
なお、フェイキックIOLについては、その問題点が眼科専門医から指摘されており、それを当方のサイトに書きましたが、これを読んでも、貴殿はまだその意向を変えませんか。

http://www.optnet.org/syujyututaisaku/jyutusiki.html#anchor_s1

(5) 神戸クリニックの「名医」から「涙の少ない眼にはPRKは向かない」と言われて貴殿はPRKを断念したそうですが、

(5)-1 その場合、涙の量についての定量的な説明はあったのでしょうか。

(5)-2 涙が少ない眼にレーシックは、どうなのでしょうか。 貴殿はコンタクトの不便さを書いておられ、その貴殿がしっかり調べた上で「安全性が高い」とおっしゃるレーシックも、やはり涙の少ない眼には向かないのですか。

そうであれば、涙が少ないのにレーシック適応と判断してしまう「名医ではない」医師もいそうですから、貴殿はこのサイトで、その件について、定性的、及び定量的な説明をきちんとすべきではありませんか。

(5)-3 そうでなくて、もし、涙が少なくてもレーシックに不適合でないのなら、なぜ貴殿がレーシックを避けておられるのかの説明をお聞きしたく思います。

(5)-4 貴殿がレーシックでなく、術後の痛みが強いと言われるPRKを受けようと思われた理由について詳しくご説明をいただけますか。

(6) 貴殿が近視手術を受ける時期の予測はまったく立たないのでしょうか。

(7) キャンペーンだとか、紹介料だとか、医療として手術をする医師が行なうこととして、貴殿はおかしいと思いませんか。

(8) 近視手術の施設は、検査の結果一応は「適応」である(禁忌はない)人には、それを聞いたら手術を受けたくならないような話やデータの開陳はしないわけですから、近視手術を考えている人は、近視手術のクリニックでどんな疑問点を質問をしようと、結局は手術を受けてみる気になる、というのが実状ではないでしょうか。
(ただし、レーシックを希望して、フェイキックIOLを勧められた場合には、料金のことがあるので、断念する人が多いようですが)

(9) 《手術の失敗が心配?》 というページの記事についておたずねします。

(9)-1 《レーザー近視手術は世界で数百万人が受けましたが、失明した人は1人もいません。》 と断言しておられますが、こういう「自分の感想ではなくて事実に関する断定的な否定表現」はいただけません。 なぜなら、世の中のものごとで、何かが「まったくない」ということは、まず立証不能だからです。
 近視手術による失明者は?という場合には、「少なくとも私は、そういう報告があったとは聞いていません」とするべきでしょう。

たとえば、ある種の角膜変性症は1988年に発見された常染色体で優性遺伝の遺伝性疾患で、親の一方でもこの病気があれば男女区別なく子供の50%に伝わるというものですが、多くの場合には治療を必要とするほどの視力低下や自覚的な異変も伴わないために、本人も気付かぬままに罹患している場合が多いです。
目に微細な混濁物が生じるのですが、その混濁物は眼科用の顕微鏡でのみ確認されるほど小さくて、熟練した眼科医でも検査で見落としやすいのです。 また、通常は、混濁物を発見した場合でも、その後の視力にも影響は生じないことから、そのまま放置される場合がほとんどです。

ところが、この手の角膜変性症のある眼に、レーシックを施術すると、角膜中心部に傷を与える近眼手術をすれば、白点が急速に広がって角膜に覆い被さって、やがて、目の中にカルシウム沈着が起こって失明するのです。
日本では、こういう場合にはレーシックで失明というカテゴリーには分類せずに、角膜変性症で失明という分類にするから、データ上では直接的にはレーシックで失明したということにはならなく、データとして表に出ることはないのですが、実際には、レーシックをしなければ失明しなかったのですから、こういうこういうケースの場合には、レーシックをしたせいで失明したってみなすのが当然でしょう。 そう思いませんか。

* レーシック施設で行われているルーチン検査で、この種の角膜変性症疾患を見落としたために、実際に韓国では確認されただけで50名の失明者がいるという研究報告データがあります。

(9)-2 《角膜拡張後部円錐角膜:事前の検査でわかるようになったため、今は発生しません》 とのことですが、今もなお、レーシック眼で角膜移植が必要となる深刻なケースの一つが、この円錐角膜だと私に教えてくれた人がいるのですが、それはうそでしょうか。

(9)-3 《手術時のフラップの切断:少なくとも、縫い合わせて治療したという例がありました。フラップがなくなればPRKになる……と思ったのですが、段差がつくため駄目なようです》 とのことですが、縫い合わせなどを無理に行うと、しわがよって不正乱視が現れることがあり、ほとんどされておらず、PRKなどのフラップを作らない手術に移行することが多いと、私は聞いているのですが、それはウソでしょうか。

(9)-4 《網膜剥離黄斑出血など:レーシックでは、マイクロケラトームでフラップを作る時に、角膜に引圧(←ママ)をかけます(真空で引っ張ります)。その影響で、軽い網膜剥離などの目の疾患が発生することが希にあると言われていますが、よくわかっておらず、そもそも手術の影響ではない(手術しなくてもその患者にはこの疾患が発生していた)かもしれません。》とのことですが、術前検査で見落とす程度の、網膜の細孔でも、術中の陰圧により一気に裂けて網膜剥離が急に起こることは実際に良くあることだと私は聞いていますが、それもウソでしょうか。

(9)-5 《ドライアイになる:しばらくすると自然に治癒します。手術後しばらくは、目薬を頻繁に差すようにしましょう。目薬は、手術をしたクリニックで、山ほどくれます。そのまま一生ドライアイ、ということはないようです。》 とのことですが、普通何年くらいでドライアイが治るのかというデータをぜひ、見たいです。 私は、むしろ、年々ひどくなるドライアイに苦しむレーシック患者を知っているのですが。

(9)-6 《眼圧の上昇(緑内障の心配):手術後に使う目薬(ステロイド系)の副作用として、眼圧が上昇することがあります。数%くらいといいますので、かなりの確率です。眼圧が上がり始めたら、眼圧を下げる薬をもらえますので、完全に治癒します。緑内障になってしまう心配は、全くありません。》 とのことですが、実際には、レーシック施設で広く一般的に用いられている非接触式の眼圧測定では、術後の眼圧を正確に測定することができず、そのために眼圧上昇に気づかずにステロイド剤を挿し続けてしまっている患者さんも多い、と聞いていますが、それはウソでしょうか。

(9)-7 貴殿は、後遺症や合併症の起こる確率については、視力の戻り以外に関しては南青山クリニックがアメリカの論文から拾った数値を書いたとのことですが、同クリニックは過去に非常に多くの手術実績があるのに、自分のところの追跡調査での、その種のデータは、全然なかったのでしょうか。

(10) 手術に関する同意書を患者さんに渡して考えてもらう日数は最低どれくらい必要だと思われますか。
その理由についてもお尋ねします。 また、同意書のコピーを患者さんに渡さない近視手術施設があるそうですが、それについては調査はされましたですか。

(11) 貴殿は自分の瞳孔の大きさを測定したということで、その大きさの数値を書いておられます。 瞳孔は角膜とそのうしろにある房水によって形成される約40Dの凸レンズによって実際よりも拡大されて見えるのですが、その拡大率を貴殿はご存じなのでしょうか。

(12) 正確な屈折測定は近視手術の重要な要素ですが、それをオートレフ(検査結果を不正確なものにする調節介入のおそれが高い)に頼って、満足な自覚的屈折検査ができない近視手術眼科が多いのですが、日常視の状態の自然な屈折度数を測定でき、近視過矯正(遠視)になったことがわかりやすい両眼開放屈折検査をしない(できない)所がほとんどであることの理由は何だと、貴殿は思われますでしょうか。

(13) 当方のネットサイトをご覧いただくとわかりますように、私は多くの医療機関や学会などに公開質問をしていますが、どこからも回答がありません。
なぜだと思いますか。

投稿日:2020年9月2日 更新日:

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現在、とても人気の手術となっている眼のレーシック手術に対する警告の内容です。
今回、レーシック手術を当初認可した国の担当官が、現在ではその手術の危険について語り始めています。レーシックの何が危険なのでしょうか?その内容について、当局ABCニュースのエリザベス・レイミーがインタビューを行いました。

「レーシック手術の落とし穴 “2.0なのに
見えない・・・”体験者が語る“過剰矯正”
の恐怖 」

このテレビ番組は、このサイトにも紹介していますレーシック難民オフ会のメンバー9人のかたがたも東京でテレビ局からの取材に協力されて、フジテレビにより製作放映されたもので、医療ジャーナリストの伊藤隼也氏が監修されました。

ちなみにメンバー9人が手術を受けたクリニックは品川近視クリニック5名、神戸クリニック1名、錦糸眼科1名、他眼科2名です。

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