慶応義塾大学医学部眼科 坪田一男様 ・ 根岸一乃様への公開質問

公開質問 

慶応義塾大学医学部眼科 坪田一男様 ・ 根岸一乃様

2009.12.8 近視手術の後遺症対策研究会 代表 岡本隆博

貴眼科が掲出しておられますサイトのうち、近視矯正手術に関する事を述べたページ(http://www.keio-eye.net/lasik/about_lasik.html 2009.12.8現在)やその下位ページにおいて、疑問を感じた点がありますので、ここに謹んでおたずねします。

 以下の文の中の 《  》 内の文は、上記の貴サイトからの原文のままの引用です。

(質問1) 《近視矯正手術のご紹介》 のところに 《屈折状態の安定が確認できれば、予定通り手術となります。》 としてありますが、貴眼科ではどのような方法で屈折状態が安定していると判断なさるのでしょうか。 メガネ屋の私としては少なくとも1年以上経過を見なければ、その判断はできないように思うのですが。

(質問2) 貴眼科では手術の同意書をお見せになるのは、どの段階でしょうか。また同意書は自宅に持ち帰って検討をできるのでしょうか。 同意書の控えは患者さんにもお渡しになるのでしょうか。

(質問3) 手術前に調節まひ剤を点眼しての屈折検査をなさるということですが、術後にも、同様にして屈折度数を検査されるのでしょうか。

(質問4) もし、術後には調節まひ剤による屈折検査はしないということであれば、術後の自覚的屈折検査(どの程度の遠視または近視になっているかを他覚検査よりも正確に知るため)において、調節の介入を防ぐために貴眼科ではどのような検査方法を採用しておられるのでしょうか。(両眼開放屈折検査はなさっていますか)

(質問5) フェイキックIOLについて 《1986年からヨーロッパで使われており、アメリカでは臨床試験が終了し2004年9月13日にFDA(米国食品医薬局;日本の厚生労働省にあたる期間)で使用の認可が下りました。》 としてありますが、この引用部の最後の 《期間》 は「機関」が正しいのだと思います。
それはともかくとして、このレンズは日本ではまだ厚労省による認可は下りていないのですね。
それはなぜなのでしょうか。

(質問6) フェイキックIOLは、いざとなれば取り出してしまえるということが利点の一つに挙げられているようですが、これまでに貴眼科では、この手術の結果が思わしくなくて、一旦入れたものを取りだしたということがあるのでしょうか。 その場合の角膜のカーブなどの状態は元に復帰したのでしょうか。

(質問7) フェイキックIOLについて 《【コンタクトレンズを装用している方へ】レンズの度数を決定する前に角膜を自然な形に戻すため、一定期間コンタクトレンズを中止する必要があります。 ハードコンタクトレンズは検査前3週間以上、ソフトコンタクトレンズは検査前3日以上中止してください。
また、手術前はハードコンタクトレンズは1週間、ソフトコンタクトレンズは2日前から装用を中止してください。》 としてあります。

ハードCLの場合、これだけの期間の装用停止で眼の度数を確定してよいことの根拠が何かあるのでしょうか。 当方の経験では、ハードCLをやめてから半年から1年以上にもわたって近視や乱視が進行した例がありますし、ハードCLをやめてから3、4週間で角膜が 《自然な形》 に戻ったという判定が、どのような方法でできるのでしょうか。
その人がコンタクト装用を始めたときより以前の角膜の 《自然な形》 が、なぜわかるのでしょうか。

(質問8) ハードCLをやめて3週間たっての検査のときと、上記のようなやりかたでの手術の直前の検査のときの屈折度(角膜のカーブ)は違う場合があると思いますが、その場合でも手術をなさるのでしょうか。

(質問9) 角膜の安定度が不十分ということで手術が延期になった場合、それでも「角膜の変化が落ち着いたら手術をしてほしい」という患者さんには、屈折度数が安定するまではコンタクトではなくメガネで生活するように指導をされるのですね。
その「安定」までに、これまでに最長どれぐらいの期間を要したのでしょうか。

(質問10) ハードCLをしていた人の場合、それをやめてメガネだけにした場合に、徐々に角膜形状の変化(カーブが強くなる事が多い)が起きる事が多いものですが、レーシックをしたらそういう変化は起きないのでしょうか。

(質問11) 上記の(質問10)のことをフェイキックIOLの術後についてもおたずねします。

(質問12) 近視手術の前にメガネしか使っていなかった人と、ハードコンタクトを使っていた人とでは、どちらが術後の屈折度数の変化が少ないでしょうか。 そういう統計は取っておられませんか?

(質問13) フェイキックIOLのページには 《【45歳以上の方へ】近視を治療してしまうと老眼の影響により、遠くは見えても近くが見えにくくなり、物を眼に近づけてもピントが合いません。 必ず老眼鏡が必要になりますので、ご注意ください。》 としてありますが、これはレーシックのページには書いてありません。 そのことの理由をおたずねします。

(質問14) 上記引用部分で 《近視を治療》 としてありますが、近視手術をしても近視眼の眼底の変化や長すぎる眼軸長などはかわらないわけで、網膜剥離の危険性が減るわけでもないわけですから、この手術は 《治療》 ではなくてあくまでも 《矯正》 をする手術なのではないでしょうか。

(質問15) FAQのところに、術後裸眼視力のグラフが載っていますが、術後1年とか、3年とかの統計はないのでしょうか。

(質問16) 貴眼科における術後の屈折状態の経年変化(年代別)については統計はあるのでしょうか。 あるのでしたら、それは公表されているのでしょうか。

(質問17) FAQ のところに 《どんな手術でも100%安全な手術はありません。 LASIKもまれに合併症がおきる場合がありますが、》 としてあり、その下に 《手術中の合併症は角膜フラップがうまくできないなど角膜フラップに関する合併症が主です。術後には見え方の質の低下(まぶしさや光がにじんで見える、夜間みにくいなど)、ドライアイ、感染、などがあります。》 としてありますが、この 《見え方の質の低下》 のうち 《光がにじんで見える》 は大半のかたに起こり、《ドライアイ》 も
《まれ》 ではないのと思うのですが、《感染》 も貴院ではときどきあるのでしょうか。 あるとすればどんな感染でしょうか。

(質問18) FQAのところに、レーシックは 《老眼には効果はありません。》 としてあります。 でも「レーシックで老眼も治療できます」と宣伝している眼科もあります。 貴眼科はその種のレーシックはなさらないようですが、その理由をおたずねします。

(質問19) 貴眼科ではレーシックの事前の説明において下記のことは説明されるのでしょうか。

(1) 年齢、現在の度数、コンタクトの使用状況、生活スタイル(近業の多さ)などを考慮にいれての、術後の近視の進行の度合いの予測。
(2) 検査における角膜の厚みと削る量による、再手術が可能かどうかということの予測。
(3) 瞳孔径や、削る広さによる、ハロやグレアの強さの予測。

(質問20) 貴眼科でレーシックを受けた人のうち、1年以上たってもハロやグレアで困っている人は、何割くらいおられるのでしょうか。

(質問21) 私はメガネ屋ですが、私の経験からしますと、原理的にレーシックやフェイキックIOLには近視進行防止の作用を期待できないわけですから、たとえば、20代の中等度近視の人にレーシックをして、一旦正視付近の眼になったとしても数年を待たずして、また近視になって裸眼視力が落ちて再手術かメガネかコンタクト、ということになる可能性が大きいと思うのですが、実際のところ、そういうかたの場合に、データではどうなのでしょうか。

(質問22) 貴眼科でこれまでに、近視手術の予後が非常に悪くて角膜移植をした、という患者さんはおられなかったでしょうか。

(質問23) 近視手術を受けるかどうかを考えている人が一番知りたいことは、「最悪の場合はどうなるのか」ということと、「術後後悔している人がどのくらいの割合でいるのか」ということでしょう。
貴眼科では営利目的のビジネスではなく、医療として近視手術を実施しておられるのでしょう。
そうであれば、その結果において非常に思わしくなかった例も、どんどんネットサイトで具体的に公表すべきであると思いますが、いかがでしょうか。

(質問24) 術後のいくつかの経過期間で、貴院で近視や老視の手術を受けた人が、次のどの思いをしておられるかということの統計が重要だと思いますが、こういう統計を取っておられますでしょうか。

まったく後悔していない。 (  )%
少し後悔している。     (  )%
強く後悔している。     (  )%

(質問25) 慶応大学の大学院を出られて、いまレーシックを手がけておられる吉野眼科(吉野健一医師)のネットサイトの中のブログ相談室(http://tinyurl.com/yaowe5c 2009.12.8現在)では、近視手術の後遺症で苦しんでいる人たちが、吉野医師に相談しておられますが、貴眼科でも、他のレーシック眼科で手術を受けて、術後思わしくなくてそこでケアーをしてもらってもラチがあかないと
いうかたが来られると思いますが、貴眼科でそれが解決する率はどの程度でしょうか。

(質問26) 逆に、貴眼科で近視手術を受けて予後が思わしくなく、貴眼科での対応にも満足がいかず、他へ診療を受けに行ってしまって、貴眼科では術後の追跡調査もできない、というかたは、貴眼科で近視手術を受けたかたの何%くらいおられるのでしょうか。

投稿日:2020年9月5日 更新日:

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現在、とても人気の手術となっている眼のレーシック手術に対する警告の内容です。
今回、レーシック手術を当初認可した国の担当官が、現在ではその手術の危険について語り始めています。レーシックの何が危険なのでしょうか?その内容について、当局ABCニュースのエリザベス・レイミーがインタビューを行いました。

「レーシック手術の落とし穴 “2.0なのに
見えない・・・”体験者が語る“過剰矯正”
の恐怖 」

このテレビ番組は、このサイトにも紹介していますレーシック難民オフ会のメンバー9人のかたがたも東京でテレビ局からの取材に協力されて、フジテレビにより製作放映されたもので、医療ジャーナリストの伊藤隼也氏が監修されました。

ちなみにメンバー9人が手術を受けたクリニックは品川近視クリニック5名、神戸クリニック1名、錦糸眼科1名、他眼科2名です。

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