東京都・南青山アイクリニック東京 戸田郁子様・坪田一男様への公開質問

公開質問 

東京都 ・ 南青山アイクリニック東京 戸田郁子様 ・ 坪田一男様

2009.12.4 近視手術の後遺症対策研究会 代表 岡本隆博

貴眼科が掲出しておられますサイト(http://www.minamiaoyama.or.jp/ 2009.12.4現在)について疑問を感じた点がありますので、ここに謹んでおたずねします。

以下の 《 》 内の文は、上記の貴サイトからの原文のままの引用です。

(質問1) 貴院での近視手術の結果に対する《患者様》の満足率93%をさらに高めるのが自分たちの使命だとのことですが、その統計は、一度取っただけではなく、何度か取られたのですね。
その調査はこれまでに何度あったのでしょうか。そして、そのたびに、満足率が上がってきたのでしょうか。

(質問2) その7%の不満について、詳しい内容と、なぜそういう不満が出たのかと言うことを教えていただけませんでしょうか。

(質問3) 貴眼科は医療法人です。 ということは、貴眼科では、営利目的のビジネスではなく、医療として近視手術などを行っておられるわけです。 であれば、近視手術の結果、患者さんも医師もニコニコという例だけではなく、どちらも(少なくとも患者様は)非常に困ったという例も詳しく具体的に公表するのが、医療を施す側の責務ではないでしょうか。 近視手術を検討している人は、そういう例を知りたくないはずがないと思うのです。

(質問4) 貴サイトに 《「近視・乱視・遠視」を補正し、視力を回復します。》 としてありますが、通常は「補正」とは言わずに「矯正」と言いますが、貴眼科ではなぜ「補正」とおっしゃるのでしょうか。 「補正」と言うからには、何か「補う」という要素があるはずですが、たとえば近視の何を「補う」のですか?
遠視に対してなら、足りない屈折力を補う、ということで意味は通りそうですが、近視や乱視に対しては、近視眼の何を補うのか、わかりません。

(質問5) フェイキックIOLでの成績について、2008年のもので、術後6ヶ月までは裸眼視力(平均だと思いますが)が1.0であったというグラフが載っていますが、貴院の場合、データが書いてあった2004年以前からフェイキックを手がけておられ、現在で850人にものぼるとか……。
そうすると、術後2~3年から数年以上の人についても裸眼視力や屈折度数の変化の様子が、かなりの人数で統計できると思うのですが、それについては、調査結果はあるのでしょうか。
あるのならば、ぜひ公表をお願いしたいのですが、いかがでしょうか。

(質問6) レーシックは両眼に施術する場合、たいていは続けさまになさるようですが、フェイキックについては1ヶ月の間を空けておられます。 その理由をおたずねします。

(質問7) 近視手術を受けるにあたっては屈折状態がある程度の期間は安定していることが重要ですが、貴院は、それをどのような方法で確認されるのでしょうか。

(質問8) 近視手術の術後には、必ずしも正視になるとは限らず、近視、遠視、乱視が残っている場合も
多いものです。 術後の定期検査では、裸眼視力だけではなく屈折度数がどうなっているのかということも重要なのですが、それはオートレフだけでは十分には分かりません。 正確な自覚的屈折検査が要ります。
しかも調節の介入を最小限に抑えられる両眼開放屈折検査が望ましいのですが(そうでないと弱度遠視はよく見逃がされます)貴院では、両眼開放屈折検査をどのような検査プロセスでもって実行なさっているのでしょうか。
それに使う視標や検査器具についてもお尋ねします。

(質問9) 《南青山アイクリニックは、日本で最初に眼科専門医がレーシックを始め、既に10年が過ぎ、術後10年までフォローを行っています。》 とのことですが、レーシックの術後数年以上たった人における、「後悔度」はどうなのでしょうか。 すなわち、数年以上たってもまだハロやグレアなどの問題が残っているとか、数年以上経ってから予期せぬことが起きて困っていて、レーシックなど、しない方がよかった、と後悔している人の割合はどのくらいあるのでしょうか。

(質問10) 《レーシックの長期安全性》 のページに、たいへん立派な統計結果が載っているのですが、その下に 《なお、患者様の来院率は、6ヵ月55%、1年46%、5年9.3%と低下しますので、術後の裸眼視力、屈折の結果に影響を及ぼしている可能性があります。》としてあります。
これはすなわち、もしも、自院で手術を受けた人を全員この調査の対象としたならば、結果はずっと悪くなるかもしれない、ということですね。

(質問11) 引っ越しでもしない限り、眼の調子がさほど悪くなければ、普通は手術を受けた施設で定期のチェックをしてもらうものだと思いますが、たとえば、1年で約半分の人が来なくなるというのは、残りの半分の人のなかには、眼の調子が思わしくないが、いまさら、手術を受けた施設へ行って治療を受けてもどうにもならないし、ということで、もうその施設とには行かない、という人もいるという蓋然性もあるわけですね。

(質問12) 他の施設で近視手術を受けた人への診療のお誘いも書いてありますが、その場合、診療費に健康保険は適用されるのでしょうか。 また、そういう人への診療において「他での治療ではうまくいかなかったけれど、ここでの治療でなんとかなった」というケースは、どのくらいの率であるのでしょうか。

(質問13) 《正視》 について 《正視とは、遠くを見た時にちょうど網膜上にピントが合う状態をいいます。》と説明をされていますが、この説明なら随意遠視や相対遠視と同じことになってしまって、正視の説明にはなりません。
「(ピント)調節をしない状態で」が抜けています。 読者がみな専門家であれば、勝手にそのように補って理解してくれますが、読者のほとんどが専門家ではないので、そういうことはしてくれません。 ですから、一般向けのこの種の説明にこそ細心の注意を払った正確な説明が要求されると私は思いますが、いかがでしょうか。

(質問14) 《近視》 や 《遠視》 の説明においても、同様に調節に関する記述が抜けていますが、《近視》 について 《近くのものは見えても遠くのものは見えません。》 というのは粗雑に過ぎる記述です。
たとえば-1Dくらいの近視なら遠くでも裸眼で1.0に近い視力が出ますよね。
もっと正確な記述に換えるべきだと思われませんでしょうか。

(質問15) 《遠視》 について 《遠くも近くも見えにくく、目が疲れやすいのが特徴です。》 としておられますが、これもおかしいです。 これは絶対遠視の説明であり、レーシック術後に往々にして見受けられる随意遠視や相対遠視(その中でも、相対遠視、すなわち、遠見は良いが近見は困難、になる例も多いですね)はこういう見え方ではありませんよね。 これも訂正すべきだと思われませんか。

(質問16) 《合併症》 のところに 《夜間の見え方・にじみ 光がにじんで見えたり、まぶしかったり、また明るい場所に比べて暗い場所(夜間)で視力の低下を感じることがあります。 ほとんどの方は手術後半年程度で改善または消失します。》 としてありますが、レーシックのあとでこういう症状がまったく現れないかたはおられるのでしょうか。 また、半年以上たっても、この種の見え方が残る人は貴院の場合、全体の何割くらいおられるのでしょうか。

(質問17) 《Q&A》 のところに 《目の状態が安定する18歳以上を手術の適応の目安としています。》 としてありますが、20代はもとより、30代でも、けっこう近視の進行は見られます。近視手術それ自体に近視の進行を止める働きはないはずですが、年代別の近視手術の術後の時間経過に伴う近視進行のデータはあるのでしょうか。

(質問18) 《老眼矯正レーシック》 というのを紹介しておられますが、これは他のレーシック施設ではあまりなされていないようですが、これは貴院ではいつごろから開始されたもので、これまでにどのくらいの手術件数がおありなのでしょうか。

(質問19) 《老眼矯正レーシック》 の結果に対する 《患者様》 の満足度は、どうなのでしょうか。
以下はそれに対する私の個人的な意見や推察です。間違いがあれば、おっしゃってくださいませんか。
これは厚労省未認可だし、術後の見え方の質があまり期待できないと思います。 遠用部と近用部での境目の切除をなめらかにしないと、その段差部分で光が乱反射したり、ハロ・グレの原因になります。 その境目をなめらかにしようとして切除しようとすると、切除量が増えて、角膜の周辺部が非常に薄くなるおそれがありそうです。

局所的に薄い部分が、角膜周辺部にぐるっと一周出来ることになって、角膜が、眼圧に耐え切れなくなって飛び出してくる、いわゆる、角膜拡張症につながりかねないのではないでしょうか。
角膜拡張症が起こると再び角膜のカーブがどんどん強くなっていって、近視が強くなるばかりか、メガネやコンタクトレンズでは矯正できないほどの強い乱視を引き起こして、ひどい円錐角膜のように、最悪の場合は角膜移植が必要になる……というような想像もしてしまいます。

この手術の場合、瞳孔径によって角膜の削りかたが変わると思われますが、どのくらいの大きさの瞳孔径を想定するのかが難しそうです。
そして、こういう手術をしてしまうと、将来、白内障になった時のIOLの度出しに困りそうです。
また、この手術の後で老眼がさらに進んだときには、さらに追加の角膜削りをすると角膜がますます弱くなりそうなので、非常に難しいと思います。
それでもし、あくまでもメガネを使いたくないということで、遠近両用のコンタクトをするとすれば、元々多焦点になっている目に、多焦点のコンタクトをうまく合わせることができるのだろうか、という疑問も生じます。
そして、メガネでも、はたして多焦点メガネや単焦点メガネを合わせられるかどうかというのも、予想が難しいですね。

(質問20) 貴サイトの中の近視手術に関する 《診療・手術スケジュール》 のページが空白なのですが、貴院では同意書はどの段階で 《患者様》 にお見せになりますか。 《患者様》 がそれを見て検討する時間(日数)をどの程度設定しておられますか。

(質問21) レーシックやPRKにおいては、坪田医師による場合と他の医師による場合とで、手術費用は両眼で10万ほどの差があるのですが、カスタムレーシックについては、費用の差がありません。
その理由をおたずねします。

(質問22) 一般眼科診療(保険適用)を行っているということで、《南青山アイクリニック東京では2008年8月より保険診療を開始しました。 各種、健康保険がご使用になれます。ドライアイ、アレルギー性結膜炎、角膜疾患、白内障、屈折異常(近視、遠視、乱視)、コンタクトレンズ処方(販売店のご案内はこちらから)、メガネ処方、老視、眼精疲労など、様々な眼科疾患を経験豊富な眼科専門医が診断と治療を担当させていただきます》 《原則保険診療ですが、治療内容によっては保険診療とならない場合もあります》 と書いてありますが、貴クリニックにてLASIKを受けた
患者さんが術後検査を受ける眼科施設も、この眼科診療施と同一なのでしょうか。

もし、同一である場合には、たとえば、以前からアレルギー性結膜炎で通院されていた患者さんが、貴クリニックにてLASIKを受けドライアイを併発した場合には、双方が保険適応外になるのでしょうか。
また、もし、LASIK術後の診療施設が別である場合には、患者さんが払う初診料の負担はどのようになるのでしょうか。
それぞれの診療に対して、初診料を別々に払わなければいけないのでしょうか。

(質問23) 《「学生応援プラン」始めました!! (^O^)/ 毎 月先着20名様限定!通常レーシック両眼23万円》 とのことですが、この場合の、《通常レーシック》 とはどのようなレベルのレーシックをさすのでしょうか。
アイトラッキングシステム機能(角膜上皮層にFSレーザーでフラップを作成した後、角膜実質層にエキシマレーザーを照射してする際に、緊張のために眼球が微細に動いても、その動きに合わせて照射位置を自動的に追尾して(アイトラッカー)補正して照射ずれを防止するための装置)などは、使用する施術なのでしょうか。
もし、この機能をしない手術であれば、手術後に不正乱視を引き起こすリスクが高まるわけです。
また、レーシック術後に角膜乱視が残ってしまったり、照射中心ずれがあったりした場合に、《通常レーシック》 では対応できない場合、トポリンクレーシックなど方法での収差を矯正することが追加で必要になると思いますが、その場合の患者さんの費用負担のシステムはどのようになっているのでしょうか。

(質問24) 貴クリニックでは、《コンタクトレンズ処方(販売店のご案内はこちらから)》 をされているということですが、貴クリニックで処方されたコンタクトレンズは、必ずこの案内の販売店でレンズを購入しないとならないのでしょうか。
あるいは、他のコンタクトレンズ販売店にてレンズを購入しても良いのでしょうか。
前者であれば、なぜ、コンタクト販売店をクリニックと分けて設置しているのかについて、理由を教えて下さい。
また、眼科におけるコンタクトの診療報酬は、全受診患者に対するコンタクト処方目的で受診した患者の割合の大小によって決まるわけで、主にコンタクトレンズ処方のみを行う眼科施設においては、診療報酬が低くなるわけですが、貴クリニックの場合この、「全患者数」の申請には、レーシック施術者も含めておられるのでしょうか。
また、コンタクトやレーシック以外で貴クリニックを受診する患者さんは、どの程度の割合いるのでしょうか。

投稿日:2020年9月3日 更新日:

執筆者:

新しい記事はありません

現在、とても人気の手術となっている眼のレーシック手術に対する警告の内容です。
今回、レーシック手術を当初認可した国の担当官が、現在ではその手術の危険について語り始めています。レーシックの何が危険なのでしょうか?その内容について、当局ABCニュースのエリザベス・レイミーがインタビューを行いました。

「レーシック手術の落とし穴 “2.0なのに
見えない・・・”体験者が語る“過剰矯正”
の恐怖 」

このテレビ番組は、このサイトにも紹介していますレーシック難民オフ会のメンバー9人のかたがたも東京でテレビ局からの取材に協力されて、フジテレビにより製作放映されたもので、医療ジャーナリストの伊藤隼也氏が監修されました。

ちなみにメンバー9人が手術を受けたクリニックは品川近視クリニック5名、神戸クリニック1名、錦糸眼科1名、他眼科2名です。

このサイトには、リンクの切れたURLが何か所かあります。上の「WaybackMachine」をクリックし該当サイトのURLをフォームに入力して「BROWSE HISTORY」をクリックします。すると過去に取得したアーカイブが、カレンダー形式で表示されます。画面の上段で西暦を選んだのち、その下に表示される月次カレンダーで日付を選べば、指定日に取得したアーカイブが表示できます。

PAGE TOP