東京都 ・ 聖路加国際病院眼科 山口達夫様への公開質問

公開質問 

東京都 ・ 聖路加国際病院眼科 山口達夫様

           2009.11.23 近視手術の後遺症対策研究会 代表 岡本隆博

 前略

貴眼科が掲出しておられますネットサイト(http://www.luke.or.jp/shinryo/22_eye.html 2009.11.23現在)について疑問を感じた点がありますので、ここに謹んでおたずねします。

以下の(質問14)までは、《 》内の文は、上記の貴サイトからの原文のままの引用です。

(質問1) 《エキシマレーザー屈折矯正手術、角膜表層切除術、輸入角膜による角膜移植術も行っています。》 としてありますが、近視手術の予後が思わしくなくて角膜移植をせざるをえなくなった、ということは、貴眼科では、まったくなかったのでしょうか。

(質問2) 近視手術に関して 《手術に必要な検査は、眼科検査の国家資格を有する視能訓練士(ORT)が行います。》 としてありますが、自覚的屈折検査においては、日常視の状態で不要な調節の介入を防ぎつつ正確な測定ができる「両眼開放屈折検査」を導入しておられますか。 おられるとすれば、どういう視力表でどういう手段で両眼開放屈折検査を実施なさっているのでしょうか。

(質問3) 《目のすべてを熟知した眼科専門医だからこそ、安全で確実な手術を行えます。》_としてありますが、神ならぬ人間が神が作った人間の目のすべてを知っているというのは、神に対する不遜な言ではないでしょうか。(貴病院はキリスト教系ですよね)

(質問4) 《老眼に対するモノビジョン手術(注2)も行えます。》 とのことですが、その予行演習として、片眼にコンタクトを入れてみて、いけそうかどうかを試すということをなさるのでしょうか。 なさるとすれば、その期間はどれくらいでしょうか。

(質問5) 《レーザー近視矯正手術とは》 の欄に 《近視の度数の単位はジオプトリー(diopter)といい、「裸眼で最もピントの合う距離(メートル)」分の1で計算し、》 としてありますが、「裸眼で(眼の)ピント調節をしないでピントの合う距離」が正しい説明ではないでしょうか。

(質問6) 同じページに 《レーザー近視矯正手術が目標とする視力は、裸眼で無限遠方が見える度数、つまり「1/∞ = 0ジオプトリー」です。》 としてありますが、この引用文中の「視力」は「度数」あるいは「屈折度数」が正しいのではないでしょうか。

(質問7) 《聖路加国際病院の近視手術》 の欄に 《当時国内の大学病院で近視手術の臨床治験が行われていた1995年に VISX社(ビシックス社)エキシマレーザー(注1)を国内2号機として米国より導入し、 厚生省(当時)がレーザー近視矯正手術を認可する2000年1月までの5年間、無料の臨床治験を独自に行いレーザー近視矯正手術の安全性と有効性を確認してきました。》 としてありますが、その5年間の手術における予後の実態については、詳しい調査結果を公表されているのでしょうか。

(質問8) 上記の5年間の手術について、おたずねします。

(8-1) それは何人に行われたのでしょうか。
(8-2) その結果いまも何らかの後遺症で困っているという人は、どれくらいいるのでしょうか。
(8-3) その結果、結局いまはメガネやコンタクトを使わざるを得ない状態、という人はどれくらいいるのでしょうか。
(8-4) 予後に網膜に裂孔が生じて治療を要したかたは何人かおられたでしょうか。
(8-5) 予後に網膜剥離を起こしたかたは何人かおられたでしょうか。
(8-6) 近視手術を受けたことを後悔している、という人はどれくらいの割合でおられるのでしょうか。

(質問9) 《その後も最新のエキシマレーザーを導入しながら最先端の技術を追従してきました。 日本のレーザー近視矯正手術のセンター的立場と考えております。》 としてあります。 この「追従」は、「追求」または「追究」の誤植でしょうが、それはともかく、「センター」だとの自負があるのなら、それに伴う責任感もあるはずです。
貴眼科は近視手術を行う施設の模範とならなくていけません。
貴眼科は、近視手術の予後の実態を出来うる限り詳しく公表すべきではないでしょうか。

(質問10) 正確な近視手術の前提として、その眼の屈折異常度数を的確に把握しないといけません。それを知るにはオートレフによる他覚測定だけでは不十分で、緻密な自覚的屈折検査も必須です。
その場合、日常視の状態で行なう両眼開放屈折検査が望ましいのですが、貴眼科ではそれをどのような検査器械を用いてどのようなプロセスで実施されているでしょうか。

(質問11) 近視手術の 《初診から手術までの流れ》 の欄に 《正確な検査データの解析を行うために、ソフトコンタクトレンズは精密検査の1週間前から、ハードコンタクトレンズは2週間目から止めていただく必要があります。》 としてあります。 ハードコンタクトレンズは、それをやめてから通常は1年前後は近視や乱視の変化が大きいのですが、なぜ2週間やめるだけでよいのでしょうか。 近視手術をしても、その変化がなくなるとは考えにくいのですが。

(質問12) 上記と同じ欄に 《術後検診 手術後3ヶ月間の検診は無料で行っています。》 としてありますが、そこで治療(点眼薬の処方や投与も含む)が行われたら、それは無料ではないのですね。
その場合は、健康保険は使えるのでしょうか。

(質問13) 《近視矯正手術Q&A》 の欄に 《治療する近視や乱視の度数が強い場合、1.0未満になることもあります。 その場合でも再手術で1.0以上の視力が期待できます。》 としてありますが、

(13-1) その1.0未満の場合に、再手術をする人は何割くらいいるのでしょうか。
(13-2) 再手術の結果の裸眼視力はどうなのでしょうか。
(13-3) 再手術で視力向上があってからある程度の期間がたって、また裸眼視力が低下した場合に、再々手術も可能なのでしょうか。

(質問14) 白内障の手術について 《多焦点眼内レンズも導入しています。》 とのことですが、そのレンズを入れたあとでレーシックを施すのですね。

(14-1) その手術はこれまでに何人のかたに実施されましたでしょうか。
(14-2) そのうち、レーシックを必要としなかった人は何人でしょうか。
(14-3) その手術の結果、老眼があってもメガネもコンタクトもなしで遠くも近くもまったく不自由なしにはっきりと見えるという人は、何割くらいおられるのでしょう。 それとも全員がそうなのでしょうか。

*以下は「 ウッズ、松坂も…若者に流行の視力矯正手術」と題するサンケイ新聞のニュースhttp://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/event/crime/225847/ で、紹介されている貴殿の発言について、おたずねします。以下の 《 》 内は、当該記事から原文のまま引用したものです。

(質問15) 《山口部長によると、患者は20~40代が中心。「ドライアイなのでコンタクトが合わない」「眼鏡から解放されたい」などが動機で、手術を受けた約85%が長期の観察でも1・0以上の視力を保っているという。》 とのことですが、

(15-1) その85%には、再手術を受けた人も含まれているのでしょうか。
(15-2) 残りの15%の人は、再手術など、それ以上のことが無理だったのでしょうか。

(質問16) 《安全性について山口部長は、「適切な処置がされず、術後に感染症や不正乱視になる場合があるが、術中のトラブルはほとんどない」と話す。術後に重度の視力障害となった患者は10万人に数人程度で、国内で失明例は報告されていないという。》 とのことですが、訴訟でもない限り、そういう重度の視力障害の人の話は報道されません。

(16-1) それが報道されない理由は何でしょうか。
(16-2) 貴眼科で近視手術を受けた人の中にも、《重度の視力障害》 となったかたはおられるのでしょうか。
おられるとすれば何人くらいおられるのでしょうか。その内容はどういうものでしょ
うか。
(16-3) 貴眼科で近視手術を受け、予後の措置に納得がいかず、あるときから貴眼科に来なくなり、他の眼科へ行ったと推察される人は、何人くらい(あるいは何%くらい)おられるのでしょうか。
(16-4) では、軽度の視力障害を持つ人、および、その他の後遺症で困っている人は、10万人のうちどれくらいいるのでしょうか。

(質問17) 《山口部長は「医師に十分な説明を求め、術後も手術を受けた施設でしっかりケアしてもらってほしい」と話している。》 とのことですが、

(17-1) 貴眼科では事前の説明で「こういうことも起こり得ます」と言う場合に、それが起こる率の数値説明も必ず実行しておられますでしょうか。
(17-2) 貴眼科では、同意書をどの時点でお見せになり、それをどのくらいの時間(日数)検討してもらうようになさっていますでしょうか。

 

投稿日:2020年9月4日 更新日:

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現在、とても人気の手術となっている眼のレーシック手術に対する警告の内容です。
今回、レーシック手術を当初認可した国の担当官が、現在ではその手術の危険について語り始めています。レーシックの何が危険なのでしょうか?その内容について、当局ABCニュースのエリザベス・レイミーがインタビューを行いました。

「レーシック手術の落とし穴 “2.0なのに
見えない・・・”体験者が語る“過剰矯正”
の恐怖 」

このテレビ番組は、このサイトにも紹介していますレーシック難民オフ会のメンバー9人のかたがたも東京でテレビ局からの取材に協力されて、フジテレビにより製作放映されたもので、医療ジャーナリストの伊藤隼也氏が監修されました。

ちなみにメンバー9人が手術を受けたクリニックは品川近視クリニック5名、神戸クリニック1名、錦糸眼科1名、他眼科2名です。

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