2009年7月31日 読売新聞
東京都中央区の診療所「銀座眼科」(閉鎖)で、レーザーを照射して視力を矯正する「レーシック手術」を受けた患者に感染症被害が多発した問題で、患者50人が30日、「感染症の危険を知りながら手術を続けた」として、溝口朝雄・元院長(47)などに計約1億3000万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。
また、患者のうち12人は同日、溝口元院長について、傷害容疑で警視庁築地署に告訴状を提出した。
訴えを起こしたのは、昨年9月~今年1月に同眼科でレーシック手術を受け、角膜炎や角膜腫瘍(しゅよう)などになった18~58歳の男女50人。
訴状によると、同眼科では2007年7月、手術を受けた患者が感染性角膜炎になり、08年4月、この患者が民事訴訟のための証拠保全も行った。今回の原告は全員、この後の手術で被害に遭ったとしており、「衛生管理を見直さず、感染被害を続発させた責任は大きい」と主張している。
原告の主婦木本明子さん(35)は「手術後、夜も眠れないほどの激痛に襲われ、別の病院で入院治療を受けた。本当に悔しい」と話した。
溝口元院長の代理人弁護士は「民事訴訟には誠実に対応する。刑事告訴についても、捜査には全面的に協力する」とコメントした。