『 レーシック業界とお金 』

読者からの投稿

『 レーシック業界とお金 』

2012年4月7日初版
2012年5月1日改訂版  れんこん

こんにちは。私はレーシック難民です。
遠視と眼位ズレが原因の眼精疲労のために仕事を失い、今レーシック希望者に レーシックの問題点を伝えなければならないと言う思いからこの原稿を書いています。

もし自分の周囲にレーシックを希望される方がいたら、この文章をぜひ読ませてあげてください。

私は手術をする前にいろんなサイトでレーシックについて調べ、「自分は絶対大丈夫」と思って手術を受けました。
でも、過矯正の遠視になり眼精疲労がひどく、会社で通常勤務のPC作業は難しい状態になり、新卒で入った会社はそれが原因で退職しています。

なぜこんなことになってしまったのか?
今思い返せば、自分の読んだサイトではレーシックの良い面ばかりが強調されていました。
いろいろなサイトを見ても、レーシックの問題点より、良い面を強調するサイトのほうが圧倒的に多いのです。

ではなぜそのような記事があふれているのか?

レーシック業界は宣伝に本当にお金をかけています。
岡本先生の原稿にもある、クリニックの営業担当が眼鏡屋さんに「近視眼者を1人紹介すると1万5千円バックする」とお願いに来たという話はさすがにえげつないなと私も思ったのですが、実際にレーシックを受けた人間が、クリニックに手術希望者を紹介すると、かなりの額のお金が返ってくるという制度が存在するのです。

実際に品川近視クリニックでは2012年4月7日現在、紹介によって2万円から4万円の謝礼が紹介者にバックされます。

http://www.beauty-befile.com/index.html

また、レーシックについてのブログや記事を書くとお金がもらえる場合もあります。
下記サイトでは記事1本に着き最低800円から報酬がもらえるようです。

http://www.lancers.jp/work/detail/39890

また、アフィリエイトと言ってページ観覧者を自分のページからクリニックのページに誘導すると、数百円~数千円単位でお金がもらえるようなシステムも存在します。

お伝えしたいことはいくつも有るのですが、レーシックを考えているあなたにまず知っていただきたいことは以下1点です。

・ レーシック手術は良い側面ばかりが強調され、バラ色に見えますが、残念ながら結果がバラ色でないことも多数あるのです。

岡本先生の記事にある大阪に開院予定のクリニックのパンフレットに載っている「レーシックの術後満足度は91%」という数字ですが、これはあくまで「強度近視、眼精疾患の有った人を除く」数字です。

私は強度近視でレーシックを受け、今の事態になっています。
(一説によれば強度近視だとデータの精度が落ち削りすぎで過矯正になる場合がある)

当然満足度は0%であり、会う人全てに「レーシックはおすすめしません」と言っていますが、私のような人間はこの数字に含まれていません。
(強度近視でなかった方でもレーシックで地獄を見ている方も何人も知っています)

「これから受けるクリニックは機械が最新型だから大丈夫!」
「感染症を今まで出していないから大丈夫!」

そう思われている方もいるかもしれませんが、機械が最新型だろうが感染症が無かろうが後遺症は発生します。

何故ならこのような状況が起こる原因は施術クリニックの屈折と両眼視機能の知識の軽視から発生するものだからです。

レーシックを行っているクリニック(特に美容整形系)ではオートレフラクトメーターによって単眼ずつの屈折検査を行い、両眼視機能検査や眼位の検査はまずしません。

両眼視検査と眼位の検査には経験と知識が必要ですが、卒業してすぐにクリニックに入った医者の場合、まず両眼視という言葉への知識がない人がほとんどです。

また、クリニックで多数働いている視脳訓練士は、両眼視機能改善のために登場した資格ですが、「医師の指示のもとその業務を行う」という規定があり、この規定のために指示する医師が両眼視および眼位について理解が浅い場合は、その実力を発揮することができません(それ以前にマドックス検査などは光学的な知識と経験が必要なので、学校を卒業してすぐの視能訓練士には難しい検査です。大学病院など高いレベルが必要とされる眼科で働いている検眼者なら測れる場合も有ります)。

術前に眼位検査をしない場合、レーシックをして正視に近くなった途端にもともと持っていた斜位が顕在化し、複視や眼精疲労などの両眼視機能の問題が発生する人もいます。
また、両眼視検査をしないと、私のように手術後に単眼ではそれほど遠視が出ないのに、 両眼視を測ってみるとかなり遠視の度数が出ると言う事態も起こり得ます。

オートレフラクトメーターの片眼屈折検査しかできず、眼位異常にも知識が浅いクリニック、そして最新型の手術設備と言う組み合わせは 、例えると車は超最新型だけど操縦者は知識も経験も浅いという状態です。
機械が正確に削っても、削る数値を測る人間の知識が未熟であれば、失敗も多々起こりうると言うことです。

だから私はレーシックは絶対に人にはお勧めしません。
機械が最新でも眼位検査もなく、検眼もオートレフラクトメーターによる単眼検査しかしていないからです。

最後に、レーシック後遺症が発生するとどうなるか書きます。

目の痛みがひどいせいで事務作業やVDT作業などができなくなり、これらの仕事に従事している人間は、仕事が困難になります。
字の細かいPCモニターを集中して見るのは特に辛いです。
私もメールは打てますが、エクセルでの作業は不可能です。

その人たちはどうなるか。
「生涯保障」を謳うクリニックに訴えても相手にされず、何の保障もありません。
(こういうクリニックでは両眼視検査や眼位の測定をしない場合が多く、そもそも問題を発見しようとしてさえいない)

セカンドオピニオンを求め別の医者に行っても、検眼レベルの低い眼科では単眼ずつの検査で器質的に問題無いと異常無しとみなされ診察が終了します。

そうこうしている内に休業手当も切れ、仕事も失います。
私も今まで仕事を2つ失っていますが、これでも「まだマシ」で、家庭が崩壊したり自殺する人もいます。

その上でどうしても受けたいのなら、以下の基準で眼科医を選んでください。

・ 宣伝にレーシックのメリットとデメリットの両方を明記している。
(「術後に再度近視になった場合は再手術できます」とか「手術は1日で全て終了し、終わった瞬間から快適です」とか安易な宣伝文句が踊っていないのが望ましい)

・ 両眼視に対して理解のある医者が経営している。

・ 目と自律神経の関わりについても詳しい。
(レーシックの後遺症で自律神経失調になる方がいますが、これは目と自律神経の関連が強いため。しかしこのことに詳しくない眼科医だと、そのような症状が起こっても対応できないし、手術とは関連付けない場合がほとんど)

・ 手術前のオリエンテーションでデメリットも説明してくれる。
(これは例えば「高度近視だった場合は術後一時遠視で3ヶ月くらい近見作業がつらくなることもある。あなたの職業は事務だが仕事は大丈夫?」とか、「術後PCや事務の作業が多いとまた近視になるかもしれないけどそれでもいいのか?」とか、「再度近視になった場合、角膜の厚みが残ってないからもう手術は不可能になるがそれでもいいのか?」とか「あなたは強度近視だから手術後は目のコントラストが落ちて夜間の運転が出来なくなると思うけどいいか?」とか「あなたはまだ若いから今手術すると円錐角膜のリスクが高くなるけどいいか?」など、ちゃんと説明してくれるということ。)

・ 手術前に眼位検査もしっかりやってくれる

・ 瞳孔径など手術に必要な個々人の目の特徴をきちんと把握してくれる。

・ 術後遠視が残った場合はそれが軽度であってもちゃんと患者に伝えてくれる。

・ 術後に後遺症が残って何度も病院に足を運んでもきちんと見てくれる。
品川近視クリニックのように元暴力団対策の刑事を使って患者を追い返そうとしたりしない。

しかしこれを全て満たしてくれるような医者には私はまだお目にかかれたことはないので、人にレーシックを勧めるわけにはいかないなと思っています。
(それ以前に、これ全部に対して詳しい知識を持っていたら、そもそも怖くてレーシックを実施できないと思います。説明を聞いた時点で患者の側も受ける気が無くなるでしょうね)

手術を考えている人は、この文章を読んだ上でレーシックを受けるのか、レーシックと関わり続けるのか選択していただければと思います。

(了)


 

岡本

ご投稿をありがとうございました。
私の知り合いの歯科医のかたいわく、「レーシック業者の営業のことは私も聞いています。開業医のかたで、バックマージン狙いで、患者さんに、レーシックを勧めている人もいるようです。レーシックを手掛ける医師の中には、美容外科から流れてきた人もいるようですね」とのことでした。

 

投稿日:2020年9月23日 更新日:

執筆者:

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現在、とても人気の手術となっている眼のレーシック手術に対する警告の内容です。
今回、レーシック手術を当初認可した国の担当官が、現在ではその手術の危険について語り始めています。レーシックの何が危険なのでしょうか?その内容について、当局ABCニュースのエリザベス・レイミーがインタビューを行いました。

「レーシック手術の落とし穴 “2.0なのに
見えない・・・”体験者が語る“過剰矯正”
の恐怖 」

このテレビ番組は、このサイトにも紹介していますレーシック難民オフ会のメンバー9人のかたがたも東京でテレビ局からの取材に協力されて、フジテレビにより製作放映されたもので、医療ジャーナリストの伊藤隼也氏が監修されました。

ちなみにメンバー9人が手術を受けたクリニックは品川近視クリニック5名、神戸クリニック1名、錦糸眼科1名、他眼科2名です。

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