岡 本
安心レーシックネットワークという名のレーシックを手がけるクリニック(医師)のグループがある。
http://safety-lasik.net/
このグループの主張は「我々なら安心できるレーシックをしてあげますよ」というものらしいが、下記のサイトでは、このグループの医師の多くがメガネ使用者であることを紹介している。
http://lasiklove.hatenablog.com/entry/2013/12/05/202954
この会の公式HPにおいては、この会の会員クリニック(会員医師)によるレーシックなら安心であるという旨が、いろいろに述べられているのであるが、それはいわば宣伝であるから、当然である。
問題は、もっとも信頼できる、この会員の医師たちによる近視手術の事後データがまったくないということである。
この会の公式HPには、手術の事後データが載っているが、それは外国におけるデータであり、この会の会員医師の施設で手術を受けた人たちの事後データではない。
この会がいつ結成されたのかは私は知らないが、相当前から近視手術を行なっているクリニックも少なくないようだから、それらの施設が自院で手術を受けた人の予後を真摯に追求する意思を持っていたのであれば、いまごろ、相当な事後データの蓄積があるはずである。
しかし、この公式HPを見る限りにおいては、そういうものがあるのかどうかも不明であるし、そういうデータをこれから集めようという意思も感じられない。
あるいは、何人かの医師がそういうデータを持っているのだけれど、あえて発表しない、
ということなのだろうか。
私は今から約4年前に、この会の重鎮である、坪田医師に公開質問をした。
http://www.optnet.org/syujyututaisaku/shitumon-19.html
ここにも、事後データについて質問をしてある。
もちろんであるが、この質問をしたときには、ご本人に、こういう質問をした旨を伝えて、回答をいただいたら、それも併せて掲載する、と書いたが、返事はまったく来ていない。
そこに私は、この医師のレーシックに対する取り組みかた(姿勢)の一端を見たような気がするのである。
また、私の知り合いの、あるレーシック被害者のかたから聞いたことであるが、この安心レーシックの会の会員である、ある眼科では、その眼科でレーシックを受けてのちに、不調を訴えてきて、医師が適当にあしらっても、容易に引き下がらない患者さんには、同じ病院の精神科への紹介状を書くのだと言う。
私自身が、その「精神科へどうぞ」というあしらいかたの現場を実際に見たわけではないが、その話は、十分ありえることだと思う。
なぜなら、実際のところ、近視手術の予後の不調のうちの一部のものは、かなり重症で、
しかもどんな名医であっても、どうにも治療できず、医師自身も困り果ててしまう(患者さんはもっと苦しむのだが)ということが、往々にしてあるからである。
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アンケート結果対する信憑性は?
私は術後のアンケートは、医師が仮に「実施しており、満足度も高い」と言っていたとしても、あまり正確なものではないのではないかと思っています。
そう考えた理由はまさにT医師のMクリニックで難民化した患者さんがいるのですが、その後、私が患者さんに後遺症を訴えたときの医者の態度はどうだったかと聞いたときに、
「言いにくかった」というような答えだったのです。
私もそうだったのですが、まず、レーシックは直後に難民化した人はすごく重度な人たちで、この人たちは恐らくクレームを言うと思うのですがその割合は1%くらいだと思うのです(それでも結構多いと思います)。
そして私のように最初視力が出て喜んでいたけれど、だんだん眼精疲労や眼位異常、ドライアイや夜間視力の低下が悪化してきて難民化する人たちもいると思います。
しかしこの人たちは直後のアンケートでは「大満足」に丸を付けている人も多いと思うのです。
ただ、それを医者に言えるかと言うと言いにくいと思います。
その理由はレーシックのクリニックを決める時はある程度自分で調べて(その調べた結果がこれかと思うとビックリですが)「ここに一生お世話になるんだ」と思って手術を受けると思います。
その医者にクレームを言うと言うのは、患者にとってすごく勇気がいることです。
私も最初にハンドルネームを決めた一番の理由は、「こんな状態になってしまったのに
さらに眼科医から診療を拒まれたら私はどうなってしまうんだろう?」という不安がものすごく大きかったからです。
(まあ、今となってはそもそもレーシック難民を門前払いしたり「問題ありません」と言ったり迫害するような医者はそもそも治療能力が期待できないので、好きなように言いますけどね)
そんな感じでレーシック推進業者にいつ行ったのかわからないアンケートをしていますと
宣言されても、実施時期などがまずわからないし、第三者機関が行なったわけでもないので何とも言いきれないです。
この手術に関して患者がリベンジを恐れず本当のことを証言できるような第三者機関の調査が行われることを祈ります。
(れんこん) 2014.2.10
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岡本
これを読んで私は、なるほど、と思った。
私はレーシック被害者ではないが、がん患者である。
自分の主治医に対しては、本当のことをすべて言うというのは難しい。
医師のやりかたに少しの不満があっても、今後ともその医師に気持ちよく診療をしてもらうために、なるべく言わないですませてしまうことも多い。
それで、レーシック術後のアンケート調査については、私は下記のような方法がよいのではないかと思う。
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それを実施するには、国の行政機関か、それに近い独立行政法人が適している。
ただし、眼科医の影響力が及ばない機関がやるべきである。
もちろん、公的資金からの予算がつかないと、このアンケートは無理だから、ここは、国民の健康に対する国の意識の軽重が問われるところだと思うが、年間に何十兆という膨大な医療費からすれば、この程度の金額は微々たる物だといえよう。
そして、その方法としては、まず、いくつかのレーシックの施設に対してある期間に手術をした患者全員の手術日、住所、氏名、術式、元の度数など、必要事項を書いたものを提出させる。(必ず術後の翌日に提出させる。そうでないと、術後2、3日して不調を訴えてきた患者のデータは提出しないですませてしまう恐れがあるから)
総数で1000~2000名くらい集まればよいだろう。
なお、このアンケートへの協力をいやがるレーシック施設が多いと思うが、だからといって、立法によりそれを義務化するというのは難しいと思うので、そうするかわりに、アンケートへの協力をを依頼されたが拒否した、そういうレーシック施設の名前を公表するということにして、アンケートへの拒否を最小限に食い止めるという方法があると思う。
個々のアンケートが来たら、手術日から、1ヶ月後、3ヵ月後、半年後、1年後、2年後、3年後・・・・にそのときの眼や体の具合を答えてもらうアンケートを送るのである。
もちろんであるが、回答にはウソを書いてもらっては困るから、回答者の住所氏名は明記してもらうが、その個人情報は絶対に他へはもらさないということをアンケートには添記しておく。
そうして、ある程度の結果がまとまった時点で、アンケートをした機関がそれをネットやマスコミを通じて公表すればよいのである。
もちろんだが、この発表は一度ではなく、術後の期間の経過にしたがって複数回おこなうのがよいと思う。
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