目以外の問題でしょう、と言われて
石川県 ・ おみメガネ・穴水店 小見英夫
単に近視性質の乱視を矯正するだけで深視力が出たという、特に複雑ではない事例ではありますが、そのエピソードに少々不審な点がございましたので報告いたします。
眼鏡装用経験なしの３０代半ばの男性。
自動車学校卒業ではなく、運転免許センターでいわゆる「一発試験」を受ける予定のかたで、試験前の適性検査で落とされてしまい、金沢市内の大手眼鏡チェーン店で相談されたそうです。
視力検査と深視力検査を受けて（屈折検査が行われたかは不明です）「当店の機械では問題ないです。目以外の問題でしょう」と言われ、途方に暮れていたところ、ホームページで当店の存在を知り、来店されたものです。
測定結果
Ｒｖ＝０.４（１.５×Ｓｐｈ－０.５０ Ｃｙｌ－２.００ Ａｘ８７°）
Ｌｖ＝０.５（１.５×Ｓｐｈ±０.００ Ｃｙｌ－２.５０ Ａｘ９０°）
眼位は２△Ｂ.ｉｎ 上下は正位
遠見融像幅 分離 ７△Ｂ.Ｉｎ～１４△Ｂ.Ｏｕｔ
回復 ４△Ｂ.Ｉｎ～１０△Ｂ.Ｏｕｔ
輻輳近点は２０センチで、少々輻輳に問題がありそうでしたが、特にプリズム処方もせずに完全矯正値の度数で三桿計を見てもらうと充分合格ラインに来ていました。裸眼にすると、さすがに見難そうで合格ラインには厳しい状態でした。
時間が無く、お急ぎだということで、当店にレンズ在庫のある範囲の
Ｒ＝Ｓｐｈ－０.５０ Ｃｙｌ－１.７５ Ａｘ８７°
Ｌ＝Ｓｐｈ±０.００ Ｃｙｌ－２.００ Ａｘ９０°
で試してみましたが、これでも問題なく深視力は出ておりましたので、この度数で作製いたしました。
念のために、輻輳訓練だけはしばらく行って下さい、と申し上げました。
それにしても「目以外の問題でしょう」って何なんでしょう？
ご本人によると、視力検査と深視力検査はやった、とのことです。
大手チェーン店に深視力計が設置してあることにも驚きましたが、一体何を調べていたのやら……と、さらに驚きます。