プリズム処方でわかりやすく
石川県 ・ おみメガネ・穴水店 小見英夫
57歳男性、教習所にて入所のときと仮免許のときと、2回の検査がありましたが、どちらもザルのような検査だったようです。
主訴は「棒が4本に見える」。
2週間ほど前に当店のHPを発見し、毎日、プッシュアップ法による輻輳訓練を行い、また、ステレオグラムの本を購入されて、最初は全く融像できなかったのが、平行法での融像はできるようになったそうです。
所持眼鏡
R=S-1.25
L=S-0.25 C-0.25 Ax135 P無し
これは地元眼鏡店にて作成。
深視力に不安を感じ、眼科で処方された眼鏡
R=S-1.50
L=S-0.50 P無し
どちらもアイポイントを無視して、データムラインの2mm上に機械的に光学中心を置いてあり、アイポイント付近では右目に0.25~0.50△のB.D.となっていました。
また、当日はお持ちになられませんでしたが、別の眼科で深視力の相談をしたら、かえってボヤケて見える眼鏡を作られた
とのこと。恐らく近用鏡でしょう。
片眼遮蔽屈折検査
R=0.3(1.5×S-1.50)
L=0.7(1.5×S-0.50 C-0.25 Ax130)
眼位検査
遠見3.5△B.I. 近見5△B.I.(偏光十字)
精密立体視(偏光)2分
ワォース4灯
複視、2△B.I.で複視は解消
両眼に1△づつ入れて両眼開放屈折検査
R=S-1.50
L=S-0.50
遠見融像幅
分離 7△in~23△out
回復 6△in~22△out
老眼で適当な近用視標が無かったので近見融像幅は省略しました。
輻輳近点 10センチ
3.5△程度の外斜位で、融像幅が広いのに関わらず、周辺融像で複視が出るのが不思議に感じましたが、複視の消える2△を付加すると、精密立体視30秒、三桿計でも連続して1センチ以内に収まるようになりました。
2~3.5△の間で自覚的に比較していただきましたが、量を変えても特に見え方は変わらず、三桿検査でも違いがありませんでしたので、最終的なプリズム量は2△といたしました。
年齢的に、プッシュアップの効果は期待できないかもしれませんが、ステレオグラムは平行法、交差法のどちらもできるように練習してください、とのアドバイスをいたしました。