■ 狙いと意義
インターネットを利用した、まったく新しいチェーン組織、それがネットチェーンです。
「スキマ需要に応えて少数派のユーザーに喜んでもらい、それによって小売店の売上げを向上させること」 これがネットチェーンの狙いと意義です。
これまで、スキマ需要は、ともすれば置いてけぼりにされていました。
それは、スキマ需要の商品やサービスは、小売店がせっかくがんばって品揃えをしてもそれを世間に広く知らしめるためには宣伝費がかかりすぎて、到底採算がとれないからです。
たとえば、メガネ店では丸メガネというのは典型的なスキマ需要の商品で、たとえば、普通のメガネ店で、丸メガネを数本~10本程度置いておいても、売れるのは年間に多くて2~3本、あまり売れないから売れたときの補充注文もしないですまされがちで、そうなると品揃えはしぼんでいくばかり……。
品揃えが少ないと、たまに丸メガネを求めて店に来た人も、自分の好みのものがなくて買わないで帰ってしまう、といった悪循環に陥るのが普通のメガネ店です。
もちろん、丸メガネなんてめったに売れないということで、初めから店に1本も在庫をしていない店も多いわけです。
それで、丸メガネは、これまでは主としてネット通販のかっこうの商材になっていました。
ネット通販なら宣伝費は非常に安くあがり、しかも、全国を相手に商売ができます。
だからスキマ商品でも採算が合うのです。
そして、買う方も、多くの種類のなかから選べます。
そう聞くといいことずくめのように思われるでしょうが、通販の場合、自分の顔にかけてみてどうかという確認ができませんし、買ってからどうも気に入らないという場合の返品も面倒です。
そして、メガネの場合、メガネの販売において非常に重要な付加価値要素である「フィッティング」ができません。メガネはユーザー一人ひとりの顔に合わせたフィッティングがなされてこそ完成品になるのですが、その意味でメガネの通販は半製品をユーザーにそのまま販売するという無責任なものなのです。
メガネの通信販売のトラブルは...こちらから
メガネ通販110番 http://eyetopia.biz/tuhan
丸メガネがそういう状態のところへ、これではいけないということで我々ネットチェーングループ店の中の有志が、2007年の春に丸メガネ研究会を組織しまして、会の公式ホームベージ(以下、HPと略す)を公開し、会員各店のHPと相互リンクでつなぎました。
そうすると会の公式HPや会員店のHPが、ごく短時日のうちに、グーグルやヤフーでの「丸メガネ」というキーワードでの検索で首位から20位までの半分以上を占めてしまうという状態になりました。
それで、全国の各会員店には丸メガネを求める人が次々に来店し、店に数十本並べてある丸メガネの中から、存分に選んで自分だけの丸メガネを注文する、ということが起きてきたわけです。
そうすると、良く売れる会員店では、丸メガネだけで一ヶ月に10本以上も売れるのです。
普通のメガネ店には到底信じられないことですが、事実なのです。
同様に、強度近視用の「ウスカルメガネ」、大きな顔の人向きの「大きいメガネ」、パソコンで眼が疲れる人用の「パソコンメガネ」、「子供用メガネ」、「跳ね上げメガネ」、「深視力メガネ」などでもスキマ需要に応える形で、普通では考えられない数の顧客を店に呼び込んでいるのです。
これまでに、小売店のチェーン組織としては、レギュラーチェーン、フランチャイズチェーン、ボランタリーチェーンという3つのチェーン業態がありましたが、ネットチェーンは「ネットの普及によって可能となった第4のチェーン組織」だと言えるでしょう。
≪ネットチェーンの3大要素≫
(1)ワンテーマ、ワンサイト
間口は狭く、奥行きは深く
(2)公式HPと会員店のHPとの相互リンク
お互いにHpを強め合い、どこかの店のサイトへ来た人を、公式サイトやその人の地元の店のサイトに招く
(3)MLなどによる全会員どうしの日常の話し合い
それにより、会の内容を高く深く濃いものにしていく